国語講師のひとり言「得意科目をすぐ言える子は…」

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『個別の授業で面と向かっては言いにくい話をコラムにしています。ですのでタイトルも「ひとり言」。日々の指導で気づいたあれこれを綴ります。』
何かの拍子に得意科目を尋ねてみると、「算数は得意です」「社会はできます」などと即答してくれるケースがよくあります。

それ自体悪いことではありませんが、私は話半分にしか聞きません。

苦手な国語を十分合格レベルまで上げたのに、本番で他教科をミスり栄冠を取り逃がす子をたくさん見てきたからです。

ひるがえって自分の子ども時代。

人から聞かれて得意科目を正直に答えたか考えてみると、おそらく私は答えなかったと思います。

国語には並々ならぬ自信がありましたが、そうであればこそなおさら、「もっとできる子がいるかも」「自分なんかまだまだ」とも思っていたからです。

"謙虚さが大事"などと説教臭いことを言うつもりはさらさらなく、また小学生当時の私が謙虚な子どもだったわけでもありません。

「得意科目だ」と口にしたのに、その後良くない成績を取ってしまい、「なんだ大したことないね」と思われる屈辱をひたすら回避したかったまでのこと。

プライドが傷つくのを恐れて、あらかじめ予防線を張っていたわけですが、すぐ得意科目を口にしてしまう子には、そのあたりの警戒感が薄いと感じます。

本当に得意な子ほど、口には出さず、淡々と取り組んでいるものです。

逆にすぐに得意だと言ってしまう子ほど、その教科に潜む自分の課題や弱点に無自覚であることが多いように思えてなりません。

「本当に人に言い切れるほど得意だろうか?」立ち止まってそう考えら、答えるのを躊躇する子がいたら、私の目にかなり有望と映るのは確かです。

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