3600万円 誤振込み

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少し前に此の事件が世間の耳目を集めた。
行政ってお固くて間違いが無い仕事ぶりだとある種信頼していたが
こんな事も有るのかと驚きを感じた。
間違って3600万円以上のお金が自分の口座に或る日突然振り込まれて
通帳を何気なく見た時に見慣れない数字の羅列を発見した時に何だこれはと感じただろう。そして一十百千万と一の位から数えて行った事だろう。やがてこの数字が3600万円以上の金を現す事を知り、なんだこれはと頭が混乱しただろう。一体誰が俺の口座にこんな大金を振り込んだのだろう。
混乱する頭で恐る恐る振込み主の名前をみた。
其処には自分が住む町の役所だった。
何故役所が俺の講座に3600万円以上の金を振り込んだのだろう。
すぐさまに間違って振り込まれたと直感したが。
胸の動揺は鎮静しない。
一先ず自宅に戻って心を落ち着けて考えを巡らした。
さて今後どうする物かと思案した。
善後策を考えたのだ。
3.600万円と言えば俺にとって超大金だ。
突然俺に降りかかって来た青天の霹靂で幸運と言って良いのか胸が高鳴るばかりだ。
役所に連絡して間違って振り込まれていますよと言うのは簡単だ。
しかし、この突然降りかかって来たこの幸運だ。
自分の中で葛藤が始まる。
この振込みは役所が俺の口座に3600万円以上の金を一方的に振り込んで来たのだ。俺が詐欺を働いて振り込ませたのじゃない。
役所が積極的に俺の口座に一方的に振り込んで来たのだ。
俺には何の責任もない。俺は少しも悪い所は無い。
俺の口座に振り込まれた金は、どう見ても俺の金だ。
だから俺はこの金を自分の物にしても構わない。
そういう結論を得たのだった。
後日役所から,泡を食らったように狼狽した様子で連絡が来た。
内容は当然、間違って振り込んだので戻してほしいと言って来た。
俺も場合によっては戻すのが正当だと思って居たから戻す気持ちが有った。
しかし、役所の対応にムカッと来たのだ。
返せ返せの1点張りだ。
自分達のミスで市民に迷惑を掛けているのだ。
先ず最初に丁重に謝罪するべきではないのか。
菓子折りの一つも持って来て責任者が深々と頭を下げて謝罪に来るべきではないのか。
それなのにまるで俺が悪いヤツのような取り扱いだ。
俺だってヘソをまげるさ。
意地でも返さない。
そしたら刑事告訴しやがって俺は犯罪者扱いだ。
俺は被害者なのだ。
誰だって自分の口座に間違って金が振り込まれたらそのままネコババを決め込みたくなるだろう。
俺は被害者だ。
俺の口座に間違って3600万円もの金を振り込んだ職務怠慢ゆえのミスだ。
役所は俺に謝ってほしい。
警察に引っ張られた屈辱をはらしたいのだ。

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