キャンセル料を請求しているのに、返信がない。
支払期限を過ぎても入金されない。
何度メールを送っても無視される。
そんな状態が続けば、腹が立つのは当然です。
「こちらは損をしているのに、なぜ無視するのか」
そう言いたくなることもあるでしょう。
しかし、キャンセル料請求で私が特に大切だと考えているのが、
その怒りを、そのままメールに書かないことです。
なぜなら、キャンセル料請求の目的は相手を怒ることではなく、
キャンセル料を支払ってもらうこと
だからです。
①目的は「謝らせること」ではなく「支払ってもらうこと」
何度も無視されると、
「なぜ連絡しないのですか?」
「常識的に考えておかしくないですか?」
と書きたくなるかもしれません。
しかし、ここで一度考えたいのが、
その文章を送ることで、支払いに近づくのか
ということです。
相手を責める文章を送れば、
「怒られた」
「怖い」
「もう連絡したくない」
と、キャンセル料とは別の問題が生まれる可能性があります。
こちらの目的は、相手との言い争いに勝つことではありません。
だからこそ、
「どう書けば支払いにつながるか」
という視点で文章を考えることが大切です。
②感情的になると問題が別方向へ広がることがある
キャンセル料について話していたはずなのに、
文章の言い方が強かったことで、
キャンセル料の問題
↓
メールの言い方への不満
↓
クレーム
↓
口コミなど別の問題
へと話が広がってしまう可能性もあります。
こちらの請求に理由があったとしても、余計なトラブルを増やす必要はありません。
そのため私は、
事実・金額・期限だけを淡々と伝える
ことを基本にしています。
③「第三者が読んでも問題ない文章」にする
これは特に大切だと思っています。
メールやメッセージは記録として残ります。
だから送信する前に、
「この文章を自分と相手以外の人が読んでも問題ないか?」
と考えてみます。
例えば、
「いつまで無視するつもりですか?」
と書くよりも、
「○月○日にキャンセル料についてご案内しておりますが、○月○日現在、ご入金を確認できておりません。」
と書く。
さらに、
「恐れ入りますが、○月○日までにお支払いをお願いいたします。」
と期限を明記する。
こちらの方が、何が起きているのかが第三者にも分かります。
キャンセル料請求では、
怒りの強さより、記録の明確さの方が重要です。
④相手の事情には配慮しても、請求を曖昧にしない
キャンセル料を請求すると、
「病気になった」
「家庭の事情があった」
「今はお金がない」
など、さまざまな事情を聞くことがあります。
もちろん、その事情に配慮することは大切です。
ただし、
事情に配慮することと、請求をなくすことは同じではありません。
例えば、
「ご事情については承知いたしました。恐れ入りますが、お支払い可能な時期をご連絡いただけますでしょうか。」
という伝え方もできます。
相手の事情は受け止める。
しかし、支払いについては改めて確認する。
「配慮すること」と「曖昧にすること」を分けて考えることが重要です。
⑤感情ではなく「決めた手順」で対応する
キャンセル料請求で疲れてしまう原因の一つが、
その都度、
「次はどうしよう」
と考えなければならないことです。
そこで、最初から対応手順を決めておきます。
初回請求
↓
支払期限を過ぎたら再通知
↓
新しい期限を設定
↓
それでも反応がなければ最終通知
↓
必要に応じて次の対応を検討
このようにしておけば、
「もっと強い文章を送った方がいいのか」
「もう一度送っていいのか」
と、感情で判断する必要が少なくなります。
つまり、
自分自身が感情的にならないためにも、ルールを作っておく
ということです。
本当に強い請求メールとは?
「強い請求メール」と聞くと、
厳しい言葉や威圧的な文章を想像するかもしれません。
しかし、私はそうではないと考えています。
本当に強い文章とは、
・何が起きたのか分かる
・請求金額が明確
・支払期限が明確
・これまでの経緯が残っている
・こちらの意思が明確
という文章です。
逆に、
怒りや嫌味、皮肉を入れるほど、本来伝えなければならない情報がぼやけてしまいます。
「怒っていること」ではなく「本気で請求していること」を伝える
キャンセル料を何度も無視されれば、
「もっと強く言わないと伝わらない」
と思うこともあります。
しかし、強く言うことと、感情的になることは別です。
「○月○日までにお支払いください」
「現在まで入金を確認できておりません」
「これまで○回ご案内しております」
こうした事実を積み重ねるだけでも、こちらの意思は十分伝えられます。
キャンセル料請求で必要なのは、
「私は怒っています」と伝えることではありません。
「こちらは、この請求を曖昧に終わらせるつもりはありません」と冷静に伝えることです。
私は宿を経営する中で、キャンセル料請求ではこの考え方を特に大切にしています。
感情ではなく、
事実・期限・記録・ルールで対応する。
それだけでも、請求するときの精神的な負担はかなり変わります。
キャンセル料の初回請求、再通知、最終通知など、
「実際にどんな文章を送ればいいのか分からない」
という方向けに、私が実際に行っている対応方法をまとめた**「キャンセル料回収マニュアル」**も作成しています。
いざというときに、怒りに任せて文章を考えるのではなく、落ち着いて対応するための参考にしていただければと思います。
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