「なんとなくダサい」を言語化できるディレクターだけが生き残る

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1. デザインの「なんとなく」は、言語化できる


「なんか違う」「なんとなくダサい」

クライアントからこう言われたとき、あなたはどう返していますか?

多くのディレクターはこの瞬間に詰まります。感覚的な言葉を具体的な指示に変換できないまま、修正が5回・6回と重なっていく。

でも実は、「なんとなく」は言語化できます。そしてそれができるかどうかが、ディレクターとしての価値を大きく左右します。

2. 修正のコストは、思ってるより全然大きい


まず現実の数字を見てください。

2025年のPlanRadar調査によると、一般的なプロジェクトにおける手戻りコストは総予算の5〜10%を占めています。要件定義の不備や設計ミスに起因する修正になると、コスト増大要因の最大9%に達することもある。

クリエイティブ産業全体の市場規模が2026年に世界で約3.1兆ドル(約470兆円)に達すると予測されている中で、この「無駄」はもはや現場レベルの問題ではなく、経営課題として扱われています。

品質管理プロセスが整っている会社は手戻りコストを5%以下に抑えられている。一方、未整備の現場では予算比3倍以上のコストが発生している。この格差は年々広がっています。

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つまり「修正が多い」というのは、センスの問題じゃなくてディレクションの言語化の問題なんです。

3. 「ダサい」の正体は3つしかない

長年クリエイティブの現場にいて気づいたことがあります。クライアントが「ダサい」と感じるとき、その原因はほぼ3つに絞られます。

3-1. 情報の優先順位がズレている

伝えたいことが多すぎて、何を一番見せたいのかわからない状態。目線がどこにも定まらない。これが一番多い原因です。

「何を一番伝えたいですか?」この一言を聞くだけで、方向が定まることがほとんどです。

3-2. ブランドのトーンと合っていない

フォント・色・余白・写真のトーン。これらがそのブランドの持つ世界観と噛み合っていない。「なんか安っぽい」と言われるのはほぼここです。

ブランドガイドラインがない会社の場合、参考にしたいブランドや競合を3つ聞くだけでトーンが掴めます。

3-3. 「今っぽさ」からズレている

数年前のトレンドを引きずったデザインは、説明できないけど古く見える。2026年現在、AI製の「完璧すぎるデザイン」への反動として、手書き感や自然のテクスチャを取り入れる表現が注目されています。

これもトレンドを知らないと判断できない領域です。

4. 「なんとなくダサい」原因チェックリスト


この3つのどれが原因かを特定するために、以下のチェックリストを使ってみてください。

□ 情報の優先順位
・一番目立っている要素は、一番伝えたいことか? ※キャッチコピーより価格が目立っていたりしないか

・3秒で何のデザインかわかるか? ※友人に3秒見せて「何の広告?」と聞いてみる

・要素を半分に減らしても成立するか? ※詰め込みすぎは「ダサい」の最大原因

□ ブランドトーン

・フォントの種類は2〜3種類以内か? ※明朝・ゴシック・装飾系が混在していないか

・写真の色温度は統一されているか? ※青みがかった写真と暖色の写真が混在していないか

・余白は「怖いくらい広め」に取れているか? ※余白を削ると途端に安っぽくなる

□ 今っぽさ

・参考にしたデザインは2年以内のものか? ※Pinterest・Behanceで「2024〜2026」で検索してみる

・角丸・グラデーション・シャドウを使いすぎていないか? ※一時代前のデザインの典型

・「完璧すぎる・綺麗すぎる」印象になっていないか? ※今は少しの「ゆらぎ」や「手書き感」がトレンド

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5. AIを使うと、言語化力が上がる


最近気づいたことがあります。AIにデザインの方向性を説明しようとすると、曖昧な言葉では動いてくれません。

「おしゃれな感じで」ではなく「ミニマルで余白を広めに取り、フォントはセリフ体、カラーはオフホワイトとネイビーを基調に」という言葉が必要になる。

AIへの指示を磨く作業は、そのままディレクションの言語化力を磨く作業になっています。

「ディレクターに必要なのはAIプロンプトとしての要件定義の書き方だ」という声が業界で出始めているのも、こういう背景からだと思います。

6. 修正を減らすために、今日からできること


実際に私が経験した話をすると、あるクライアントから「なんか安っぽい」と言われたことがあります。でも詳しく聞いてみると、フォントの種類が統一されていなかっただけでした。「ブランドのトーンと合っていない」と言語化できた瞬間に、修正は1回で終わりました。また、最初のヒアリングで参考になるブランドを聞いていなかったことも原因のひとつでした。それ以来、初回ヒアリングで必ず参考ブランドを聞くようにしています。

まず「なんとなくダサい」と感じたとき、上記のチェックリストを使ってどれが原因かを考えてみてください。それをクライアントやデザイナーに伝える言葉を一つ見つける。それだけで修正回数は確実に減ります。

言語化できないディレクターが生み出すコストは、数字として証明されています。逆に言えば、言語化できるディレクターは、それだけで価値があります。
感覚を言葉にする力。これがAI時代においても、ディレクターに求められる最も重要なスキルだと思っています。


私は現在フリーランス歴5年目です。
バナーやLPの制作に携わりながら、AIを使った制作体制の効率化を日々試行錯誤しています。
「作る現場のリアル」をこれからも発信していくので、少しでも共感してもらえたらフォローしてもらえると嬉しいです。


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