自治体の仕事 ~向いている人・向いていない人~

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 区役所や市役所の仕事内容は多岐にわたります。住民の転居手続き、国民健康保険、年金、介護保険などの手続きから、市や区の議会運営、選挙があれば選挙の運営、小中学校の管理などなど、まさに私たちの生活を取り巻く色々なことが仕事の対象になります。

 このように、広範囲にわたる業務について、ようやく覚えてきたなと思った頃に異動となります。だいたい、主事や主任で4~5年、主査や係長級以上になると2~3年で異動するようになります。

 民間の企業でも部署異動はあるとおもいますが、これだけ頻繁に、しかも従前の業務内容とは全く異なる部署に異動になるという環境はそう多くはないのではないでしょうか。

 このような特殊な仕事環境にはやはり向き・不向きがあるように思います。私の思う、「自治体職員に向いている人・向いていない人」について書いてみようと思います。

【自治体職員に向いている人はこんな人】

・ついついおせっかいをやいてしまう人
→自治体にはいろいろな困りごとで相談にみえる住民が多く来所します。その悩みの内容はそれぞれ十人十色で、中には説明がうまくできない方もいらっしゃいます。そういった方々に寄り添って、話を傾聴し、どのような制度が利用できるかを説明しなくてはなりません。なかには病気や様々な理由から、制度の内容が理解できなかったり、納得できないと怒りだしたり泣き出してしまう人もいます。まさに、「いろいろな人がいる」ので、その方の理解力やペースに合わせての説明も求められます。
 相手の立場で考え、「これは大丈夫かな?」「こっちは大丈夫かな?」という具合にあれこれと少しおせっかいなほどに気を使える人は窓口職場に向いていると思います。

・ダメなものはダメと言える人
→先ほど挙げた例と相反するように思われる方もいるかもしれませんが、窓口職場において、毅然とした態度で対応することはとても大切です。私たちは法律に基づいた制度にのっとって仕事をしています。制度というのは、多くの人たちにあてはめなくてはならないため、どうしてもどこかで線引きをしなくてはなりません。収入や年齢、地域などです。そうすると、どうしてもその境界線で不都合や不公平を感じる方も出てしまうものです。気持ちとしては、住民の方のおっしゃることが理解できるのですが、制度を変えることはできません。なかには、制度そのものについて納得がいかず怒り出してしまう人もいます。そういう方が大声を出したり、強い態度にでたりしても、私たちはその方によって対応を変えることはできません。そのようなことがあれば、多くのルールを守っている方を裏切ることになってしまいます。ですから、ダメなものはダメと言える強い心が必要です。

・法律が好きな人
→自治体の仕事は法律の根拠のもとに執り行われています。(公務員全般にいえることですが)部署が変わるたびに、根拠となる法律もがらっと変わるので、そのたびに法律を学ばなくてはなりません。ですから、もともと法律を読むことが好きな人、法律を読むことが苦ではない人は公務員に向いていると思います。

・チームで働くことが好きな人
→自治体だけではありませんが、組織が大きくなればなるほど、仕事は一人でやるものではありません。周りの人とコミュニケーションがうまく取れるということはとても大切なポイントになってきます。

・様々な経験をしている人
→引っ越し、結婚、出産、育児、離婚、介護、海外留学や海外での長期滞在などなど、経験は多ければ多いほどプラスです。例えば、極端な例ですが、これまで一度も引っ越し(やその手続き)をしたこともなく、学校を卒業後ずっと仕事しかしていない独身の人と、引っ越しや結婚、出産や育児、離婚や家族の介護、あるいは海外在留経験のある人とではどちらがより親身になって住民の相談にのれると思いますか?
 育児をしたことのない人に、育児の大変さはわからないと思います。介護や離婚もしかりです。ですから、いろいろな経験がある人は多種多様な悩みに共感でき、あるいは自身の経験を通してその部署で働いたことがなくても制度に精通しています。

【自治体職員に向いていない人】

・利益や損得を優先させる価値観の方
→誤解のないように書きたいのですが、私はそういう方を否定しているわけではありません。人それぞれの価値観ですから。ただ、そういう方は自治体の仕事には向かないと思います。自治体の仕事は利益が出るような内容はほとんどありません。ですから、売り上げや業績をあげることにやりがいを覚えるようなタイプの方は、民間企業にいかれたほうがいいと思います。

・断ることが苦手な方
→自治体職員に向いている人で書いたように、窓口職場では時に対応不可能なことについてごねたり、怒って大声を出す人なども来所されます。そういう人にも毅然とした態度がとれないと、「前回はやってもらった」というように悪い前例を作ってしまいます。
 また、対住民とのトラブルだけでなく、同僚や上司が仕事をしない(できない)ということも残念ながら少なからずあります。そういった場面で、断れない人は仕事を一人で抱えてしまいがちです。その結果、恒常的に夜遅くまでサービス残業をしたり、やりきれずに仕事が放っておかれ、後で大惨事になるといったことにつながります。最悪の場合うつ病を発症したりしてしまいます。

・マルチタスクが苦手な方
→これも、自治体の仕事だけに当てはまるわけではないと思いますが、多くの地方自治体はお金が潤沢にあるわけではありません。むしろ厳しい財政の自治体も多いと思います。そうするとどうなるかというと、職員の数がどんどん削られていきます。しかし、私たちの仕事は複雑化する社会に対応していかなくてはならないため、増えることはあっても減ることはありません。そのため、複数の仕事を同時進行でこなしていかなくてはなりません。一つのことに集中してじっくりと取り組みたい方には向かない業種かと思います。

・新しい環境にすぐになじめない方
→冒頭でも述べたように、自治体の仕事は多岐にわたり、たくさんの部署があります。その部署を4~5年ごとに異動しますので、ようやく仕事と人に慣れたなと思う頃に異動です。そして、また全然違う仕事内容と人の名前や顔を一から覚えなくてはなりません。もちろん、以前の職場の知識や経験が新しい職場でも役立つ場面もたくさんあります。しかし、根本的には違う制度ですので、(似ていても根拠となる法律が違ったりします)一から覚えなくてはなりません。こういった環境になじめない方にはつらい環境かと思います。

・一人で黙々と仕事をすることが好きな方
→自治体は組織としてはわりと大きい部類に入ると思います。ですから、基本はチームプレーです。一人で完結する仕事はほぼ存在しません。しかも、制度や状況が変わるたびにこちらも変わっていかなくてはなりませんし、災害などがあればその現場に駆り出されます。ですから、自分のペースで一人で仕事をすることが好きな方にも向いていない環境だと思います。

 さて、自治体職員に向いている人・いない人というテーマでそれぞれ5つのポイントを書いてみました。もちろん、まだまだあると思いますが、私の思うベスト5をそれぞれ書いてみました。また、地方自治体に限らず、会社でも同じだよという内容も含まれていると思いますが、地方自治体の公務員試験を受けようか迷っている方、興味がある方、転職を考えている方にとって参考になれば幸いです。

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