バーで隣の人のグラスを割ってしまったら、犯罪になる?

バーで隣の人のグラスを割ってしまったら、犯罪になる?

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バーのカウンターで、隣の人のグラスにうっかり肘が当たり、床に落として割ってしまった。こんな場合、「器物損壊罪」になるのでしょうか。

結論から言えば、「単なる不注意で割ったのであれば、器物損壊罪は成立しません」。

刑法では、原則として故意のある行為を処罰し、過失による行為を処罰するには特別な規定が必要です。器物損壊罪には、過失による損壊を処罰する規定がありません(刑法38条1項・261条)。ただし、「割れても構わない」と考えてグラスを払いのけた場合などは、故意が認められる可能性があります。

一方、「犯罪にならないこと」と「弁償しなくてよいこと」は別です。

民法709条では、故意だけでなく、過失によって他人に損害を与えた場合にも、損害賠償責任を定めています。不注意があれば、グラスの損害や、こぼれたお酒、汚してしまった衣服のクリーニング代などについて、実際に生じた損害に応じた賠償が問題になります。

なお、「隣の人が使っていたグラス」でも、お店の備品であれば、グラス自体の損害についてはお店への対応が必要です。隣のお客さんに一杯ごちそうすれば、すべて解決するとは限りません。

また、割れた破片で人にけがをさせた場合には、不注意であっても「過失傷害罪」が成立する可能性があります(刑法209条)。

まずはけがの有無を確認し、店員に知らせて謝罪する。バーで大人の振る舞いが問われるのは、お酒の頼み方より、こうした失敗の後かもしれません。

南本町行政書士事務所 代表 特定行政書士 西本
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