パンチングマシンを殴って壊したら、犯罪になる?

パンチングマシンを殴って壊したら、犯罪になる?

記事
コラム
ゲームセンターのパンチングマシン。思い切り殴ったところ、機械が壊れてしまった。

「殴るための機械なのに、器物損壊罪になるの?」

結論からいうと、「決められた方法で遊んでいたところ、予想せず壊れた」というだけで、直ちに犯罪になるわけではありません。

「殴る意思」と「壊す故意」は別

他人の物を故意に壊すと、器物損壊罪が問題になります(刑法261条)。一方、器物損壊罪には、過失による破損を処罰する規定はありません(刑法38条1項参照)。

これをパンチングマシンに当てはめると、説明どおりに的を殴り、壊れるという認識もなかった場合、「自分の意思で殴った」というだけで、器物損壊の故意があるとはいえません。

そもそも、パンチの強さを測る機械です。力いっぱい殴ったことだけを理由に、故意や過失があったと決めつけることもできません。

「壊れても構わない」と殴った場合は?

例えば、点数に腹を立てて画面や本体を殴り、壊した場合には、器物損壊罪が成立する可能性があります。

また、故意は「絶対に壊してやる」という意思に限られません。通常の遊び方を外れ、機械が壊れる可能性を認識しながら「壊れても構わない」と受け入れて殴った場合にも、故意が認められることがあります。

単に「壊すつもりはなかった」と説明すれば済むわけではなく、殴った場所や方法、その前後の言動などから判断されます。

修理代の負担は、別に考える

犯罪が成立しなくても、不注意で壊したのであれば、民法709条に基づく損害賠償責任を負うことがあります。

ただし、説明どおりに使っていたのに、機械の劣化や不具合で壊れたような場合まで、利用者が当然に弁償しなければならないわけではありません。

大切なのは、「壊れた」という結果だけで判断せず、利用方法、機械の状態、故意・過失の有無を確認することです。

南本町行政書士事務所 代表  特定行政書士 西本
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