AI契約書で実際に起きたトラブル例 ──「それっぽさ」に任せた結果

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コラム

AIで契約書を作る人が増えている。

早い。
安い。
それっぽい。

だが、
現場では静かにこういう声が出始めている。

「AIで作った契約書、
これ、どうにもならないですか?」

以下は、
実際に相談として持ち込まれたケースをもとに再構成した例だ。
特別な話ではない。
むしろ、よくある話である。

事例①
「業務委託なのに、雇用と判断されかけたケース」
概要

個人事業主Aが、
AIで業務委託契約書を作成し、
フリーランスBと契約。

内容は一見、問題なさそうだった。

起きた問題

業務時間が細かく指定されていた

指揮命令条項が強すぎた

代替性(他人に任せる余地)がなかった

結果、
実態として雇用に近いと判断され、
労務トラブルに発展。

なぜAI契約書が原因になったか

AIは、

業務委託

雇用

の境界線の危うさを理解していない。

条文はそれっぽくても、
組み合わせると
アウトな構造になっていた。

事例②
「解約できると思っていたのに、できなかったケース」
概要

コンサル契約をAIで作成。
クライアント側が途中解約を申し出た。

起きた問題

中途解約条項が曖昧

解除と解約の区別がない

違約金規定もない

相手から、

「契約期間満了まで支払う義務がある」

と主張され、
示談交渉に。

なぜAI契約書が原因になったか

AIは、

一般論としての解除条項

は書けるが、

この契約で途中解約を許すのか

という設計判断をしない。

結果、
「どちらの言い分も通る」
最悪の契約書になっていた。

事例③
「知的財産の帰属で揉めたケース」
概要

共同でコンテンツ制作をする契約を、
AIで作成。

起きた問題

著作権の帰属が曖昧

二次利用について未定義

契約終了後の扱いが未記載

プロジェクト終了後、
双方が

「それは自分のものだ」

と主張。

なぜAI契約書が原因になったか

AIは、

著作権条文の「型」は知っている

だが、

どこまで使わせたいか

何を絶対に渡したくないか

という感情と戦略は読めない。

事例④
「損害賠償額が青天井だったケース」
概要

AIが作った契約書に、
こう書いてあった。

「本契約に関連して生じた一切の損害を賠償する」

起きた問題

小さなミスが、
想定外の高額請求につながりかけた。

なぜAI契約書が原因になったか

AIは、

強い表現=安全

と学習している。

だが実務では、
強すぎる条文は爆弾になる。

事例⑤
「裁判管轄が現実的でなかったケース」
概要

AIが自動で入れた条項。

「本契約に関する紛争は東京地方裁判所を専属管轄とする」

起きた問題

当事者は地方在住

小額案件

実質、裁判が使えない

なぜAI契約書が原因になったか

AIは、

一般的

よく見る

条文を選ぶ。

だが、
現実に使えるかどうかは考えない。

共通する失敗の原因

これらの事例に共通するのは、
たった一つ。

AIに「判断」をさせてしまったこと

AIは、

書くこと

並べること

は得意だ。

だが、

どこが地雷か

どこを守りたいか

は判断できない。

結び

AI契約書のトラブルは、
派手に起きない。

静かに、
あとから効いてくる。

そして必ず、
こう言われる。

「そのまま使ったのが、まずかったですね」

AIは悪くない。
むしろ優秀だ。

だが、
責任を取るのはAIではない。

AIで作った契約書ほど、
最後に人間の目と判断が必要になる。

それが、
実務の現場で見えてきた
一番現実的な結論である。

南本町行政書士事務所 特定行政書士 西本
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