ビジネスをしていると、「契約書、ちょっと修正してもらえますか?」という連絡を受けることがあります。
一度取り交わした契約書でも、事情の変化や確認漏れ、相手側の意向により「修正したい」と求められることは珍しくありません。では、そんなとき、どう対応するのが正解なのでしょうか。
今回は、契約書の修正依頼を受けたときの基本的な対応の流れと、注意すべきポイントについてご紹介します。
1. 「修正依頼=トラブル」ではない
まず大事なのは、感情的にならないこと。「契約に文句をつけられた」と感じるかもしれませんが、実際には、お互いにとってよりよい条件に整えようとする前向きな申し出であることが多いです。
修正を前提にしたやりとりもまた、信頼関係を築くプロセスの一部と捉えましょう。
2. 具体的な修正内容と意図を確認する
「どの条文をどう変えたいのか」「その理由は何か」を具体的に聞きましょう。
例えば、
「第5条の支払期限を30日から60日に変えてほしい。資金繰りの都合です」
といったように、条文番号・変更案・背景理由までを聞き出すことが大切です。
ここが曖昧なままだと、誤解や新たなリスクを招いてしまうこともあります。
3. 修正による影響を冷静に検討する
提案された変更が、自社にどんな影響を与えるかをチェックしましょう。
他の条項との整合性は取れるか
自社の立場が不利にならないか
法的に問題はないか
万一トラブルになったとき、説明できる内容になっているか
特に法人間の契約では、1箇所の修正が他の条文にも影響を及ぼすことがあるため、注意深い検討が必要です。
4. 必要に応じて「代案」を出す
相手の要望をそのまま受け入れる必要はありません。
「支払期限を延ばすのは構わないけれど、遅延損害金の規定も追加させてください」など、自社として守るべきラインを明確にして、代案を出すのも大事な交渉術です。
柔らかく、でも芯はぶらさず。そんなバランスが求められます。
5. 合意内容をしっかり文書化する
双方で合意が取れたら、その内容はきちんと文書で残します。
修正した契約書を差し替える
「覚書」として修正内容だけを別文書にまとめる
どちらの場合も、日付・契約書名・修正内容が明確であることが重要です。また、旧契約との関係(たとえば「本書は2024年4月1日締結の契約書の一部を修正するものです」など)も記載しておくと、後々安心です。
最後に
契約書の修正は、トラブルではなく「調整」です。
お互いが納得して進めるからこそ、長く続く信頼関係が築かれます。
もし、自分たちだけでは判断に迷う場合は、専門家の力を借りるのも選択肢のひとつ。契約書は、読む人によって解釈が変わることもありますから、「第三者の目」でチェックすることは、むしろリスク管理の一環です。
「信頼をつくる契約書」を一緒に整えていきましょう。
南本町行政書士事務所 特定行政書士 西本