部屋を借りた時の造作買取請求権について

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法律・税務・士業全般
部屋を借りてその部屋に価値のある何かを大家さんの同意を得て設置した場合、例えばウォシュレットです。これを退去時に買い取ってもらうということが法律上認められています(借地借家法第33条1項)。
でもみなさん、これほとんどやったことないのではないでしょうか?やったことないと言いますのは買い取ってもらえなかったのではないでしょうか?という意味です。

そうなんです。これは法律上認められているけれど、特約で外せるんですね。これを任意規定と言います。
契約書をお持ちの方は見てみてください。契約で外されていますから。
さて今回はこんな造作買い取り請求権ですが、外せることはわかっているけれどその書き方で外せたことになるのかっていう話です。
例えば以下のような文例があります。

第〇条 賃借人は、本物件を明け渡す際、その名目のいかんに関わらず、本物件や諸造作、設備に支出した費用の償還又は立退料、移転料等の一切の金銭の請求をしない。
これ、どこか変ではありませんか?
そうなんです。何かいているかわからないんですね。それっぽいですけど、意味はわかりにくいです。ですのでこれをもって造作買取請求権を行使しないとなっていると主張するのはいささか無理があります。
ではこちらはどうでしょうか?

第〇条 賃借人は、本物件を明け渡す際、その名目の如何に関わらず、本物件や諸造作、設備に支出した費用の償還又は立退料、移転料等一切の金銭の請求をしない。また賃借人が付加した諸造作、設備等の買取請求も行わない。
これはほとんど同じですがまた以下が違いますね。ほんのちょっとのことなんですがこれは造作買取請求権を放棄したことがはっきりわかりますね。
契約書のチェックをする意味はこういう所にあります。

行政書士 西本
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