本のタイトルは、「脳を知る・創る・守る・育む9」(「脳の世紀」推進会議編 伊藤正男、西澤潤一、高橋智幸、黒田真也、山脇成人、加藤忠史、金澤一郎)です。編集:「脳の世紀」推進会議、発行者:松田國博、発行所:株式会社クバプロ、発行日:平成19年5月15日、定価1200円+税。
それでは、脳の世紀シンポジウム講演収録集9について簡単に紹介いたします。
講演収録集9は、「脳の世紀」推進会議の主催により開催された第14回「脳の世紀」シンポジウムでの講演を収録したものです。第14回シンポジウムは
2006年9月13日に、東京の有楽町・朝日ホールにて開催されました。
脳を知る・創る・守る・育む 9の目次
開会挨拶
NPO法人 脳の世紀推進会議・理事長/
(独)理化学研究所脳科学総合研究センター・特別顧問 伊藤 正男
Ⅰ章 特別講演
『人間と科学』 首都大学東京・学長 西澤 潤一
南極の話、科学技術と歴史、発明、八木秀次先生の話、半導体、IT、脳、
伊藤正男先生の話
質疑応答
Ⅱ章 脳を知る
『脳の働きを支えるシナプスの役割』
東京大学大学院医学系研究科・教授 高橋 智幸
第一章 脳の働きを支える電気シグナル
シナプスの構造/ニューロンの活動と電気信号/
神経伝達物質とシナプス/シナプスによる神経回路のスイッチ機構
第二章 脳の働きを支えるシナプスの仕組み
シナプス小胞内神経伝達物質放出機構/シナプス伝達効率の変化
第三章 運動、感覚、記憶、意識とシナプス
運動/感覚/記憶/意識レベルを反映する脳波の成り立ち
まとめ
Ⅲ章 脳を創る
『神経可塑性におけるタイミング検知システム』
東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻生物情報科学・教授 黒田 真也
神経細胞での情報伝達/記憶・学習の分子細胞基盤/STDPの役割/スパイクタイミングと神経活動ネットワーク/シナプス可塑性を制御する分子ネットワーク/システム生物学とは/STDPのシミュレーションモデル/なぜ、LTDが再現できないのか/神経可塑性におけるタイミング検知システム/NMDA受容体のアロステリック効果の確認/NMDA受容体による膜電位変化
まとめ
Ⅳ章 脳を守る
『ストレス適応とうつ病:こころの科学からみた脳内メカニズム』
広島大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経医科学・教授 山脇 成人
ストレス社会におけるうつ病・自殺の急増/精神機能の精神分析的理解/精神機能にかかわる脳/情動制御の脳内メカニズム/人はなぜ落ち込むのか①―分子レベルでの理解/人はなぜ落ち込むのか②―脳機能レベルでの理解/ヒトはなぜ落ち込むのか③―情動ストレス予測との関連/ヒトはなぜ落ち込むのか④―将来報酬予測との関連
まとめ
Ⅴ章 脳を育む
『情動発達・養育とその障害の脳科学』
(独)理化学研究所脳科学総合研究センター老化・精神疾患研究グループ・グループディレクター/精神疾患動態研究チーム・チームリーダー 加藤 忠史
情動とは/注意欠陥/多動性障害の脳科学/養育が情動発達に与える影響/境界性人格障害/母親が精神発達に与える影響/ストレスが与える脳への影響/DNAメチル化による遺伝子の発現制御/養育が情動発達に与える影響の分子メカニズム/養育行動の脳科学―虐待の要因―/母性本能はあるのか/子育て遺伝子/子育て行動の中枢は視床下部
まとめ
閉会挨拶 国立精神・神経センター・総長 金澤 一郎
著者・司会者紹介
以上です。
これらの講演者の中で、特別講演の講演者の西澤潤一氏は、半導体・通信の世界で世界的に著名な方です。故人となりました。特別講演は広範な話題について興味深く話されていました。日本の十大発明家の八木秀次先生の話もあり、現在読んでも面白いです。
その他の講演者もすばらしい方ですので、本を読まれることをお勧めします。