現代日本においては、いつの間にか価値観が画一化し、非常に陳腐なものになってしまっているように思う。お金を稼ぐことで得られる物質的なものや刹那的な快楽に重要な価値が置かれ、人生において本当に大切なものからは少しピントがずれているような気がしてならない。
勿論、お金を得ることはとても大切なことだ。お金がなければ何も始まらないし、生活していくことすら困難になる。しかし、物質的な豊かさが本当に私たちの精神を満たしてくれるのかというと、そこには少々疑問が残る。
私たちが喜びを感じるときはどんなときだろうか。本当に嬉しいと思えるときは?それは私たちの心が満たされたときではないだろうか?
残念ながら、「物」は私たちの心を満たすことはできない。幾ら物質的に恵まれていても、不幸な人たちをきっと皆さんもご存じのはずだ。本当に大切なものは「心の豊かさ」であり、人間が最後に求めるものは「心の平穏」であると私は思う。
何気ない日常の中で感じる、太陽の熱気や路傍の花の美しさ、雨音の妙なる響き、黄昏時の茜空の懐かしさ、こういったものを楽しめる感性を日頃から育てていると、自然と人生に彩りが加えられ、豊かなものになって行く。
こうした細やかな感性は、日々の暮らしの中で、周囲の環境や自分を取り巻く人間関係などに感謝し、大切に思う心がないと、なかなか感じられないものだ。求めることばかりで、自分の欲に飲まれてしまうとこういった素晴らしいものたちの価値を感じられなくなってしまう。
豊かな感性は、天から与えられた、何よりの宝物である。そういったものを大切にして、限りある人生をゆっくりと楽しみたいものだ。