前回のブログで、強制的支配(コアーシブコントロール)では脳の学習機能を悪用して、被害者の行動を徐々に制限していくことを説明しました。
イギリスでは2015年から『強制的支配(コアーシブコントロール)』は、犯罪として法制化されています。
アメリカの一部の州でも法制化されていますが、日本ではまだ概念自体があまり知られていませんので、今回も強制的支配(コアーシブコントロール)の内容をお伝えしたいと思います。
逃げることを諦めてしまう学習機能
「自分の好きな映画を見る→相手が不機嫌になる」
この繰り返しで、好きな映画を避けるようになる。
→これが条件付け学習です。
しかし、脳の学習機能の悪用は、それだけではありません。
「逃げようとする→失敗する」を繰り返すことで、
逃げること自体を諦めてしまう学習もあるのです。
実際に被害者が勇気を出して誰かに訴えたとしても:
「本当に逃げられなかったのか?」
「嫌なら逃げればいいのに」
「なぜそんな関係を続けるのか意味がわからない」
そして、加害者の外面が良いと
「あなたにも悪いところがあったんじゃない?」
このように軽んじられることが多々あります。
この様な言葉は、被害者をさらに傷つけ、孤立させてしまいます。
「やっぱり理解されない。。。」
そして、加害者によって体系的に作られた「見えない檻」の中に閉じこもってしまうのです。
見えない檻とは?
サーカスのゾウの話をご存知でしょうか?
子ゾウは小さい頃、太い鎖と杭で繋がれます。
何度も逃げようとしますが、力が弱くて逃げられません。
逃げようと試みる
↓
失敗する
↓
また試みる
↓
また失敗する
この経験を繰り返すうちに、ゾウは学習します:
「どれだけ頑張っても、逃げられない」
やがてゾウは大人になり、十分な力を持つようになります。
鎖は細いロープに変わり、簡単に引きちぎれるようになっても、
ゾウはその場から動こうとしないのです。
物理的には逃げられるのに、
心理的に「逃げられない」と信じ込んでいるのです。
そして、これはゾウだけの話ではありません。
人間も、大人も子供も、同じ反応をするのです。
強制的支配(コアーシブコントロール)の被害者も、同じプロセスを経験します:
逃げようとする
↓
連れ戻される
「子どもがかわいそうだろう」(罪悪感)
「どれだけ心配したか」(罪悪感)
「近所の人が見ている」(恥)
「家族、親戚、友人に顔向けできない」(恥)
「今度こそ変わる。約束する」(希望)
などと言われる
↓
また逃げようとする
↓
また連れ戻される
「恩知らずだ」(罪悪感)
「世間に恥をかかせるな」(恥)
「もう二度としないから」(希望)
など言われる
↓
また逃げようとする
↓
また連れ戻される
↓
繰り返し
↓
「もう何をしても無駄だ」「逃げられない」と学習してしまう
被害者が被害を認識できない問題
このループにハマってしまうと、被害者が”自分自身が被害に遭っている”ことを認識できない状態になってしまいます。
被害者にとって心理的虐待は、虐待として認識されにくいのです。
暴力がなければ「虐待ではない」と思っていたり、
徐々にエスカレートしたため「異常」の基準がわからなくなっていることがあります。
だからこそ「逃げればいい」が答えではないのです。
まず被害者が「これは虐待だ」と気づくことが、脱出への第一歩です。
1日数分だけでも内省する時間を確保して、自分の気持ちを感じてみることが大切です。
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