2018年エブリスタ大賞優秀賞受賞作品のエピソード1:忘れちゃいけない時に忘れた大事な物のお話:助けた相手はご令嬢ep1+【朗読動画】
おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。今回ご紹介の朗読動画は、「助け相手はご令嬢ep1」2018年エブリスタ大賞優秀賞受賞作品のエピソード1、忘れちゃいけない時に忘れた大事な物のお話です。良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉連続小説ドラマ助けた相手は御令嬢作者 北条むつき朗読 悠奈ゆかり第1話 忘れ物(わすれちゃいけないもの)「ほらぁ!また忘れてるぅ!」そう百合《ゆり》が突然言い出した。「ん? なに………」 俺は気の無い返事をする。それに対して百合は剥れた頬に口を尖らせた。「6月23日、今日は何の日だ」 白々しく聞いてくる百合の言葉を余所に俺は「知らん梅雨の日か」と答えた。 今日は6月23日。曇り空だ。京都タワーへの道のりを歩く。梅雨に入って今日は久しぶりに晴れると思いきや曇り。 今にも降り出しそうな暗雲立ち込めた空模様の中、二人で歩く。ジメジメとした空気の中、俺はさっき買ったソフトクリームを頬張り半袖でちょっと汗ばんでいる。 百合も今日はジメッとしていたのかノースリーブのワンピース。もう直ぐ夏だからか、湿気とともに気温は割と高い。 こんな日だというのに2人とも傘を持たずに歩く。というより忘れたのだ。夕方から60%の予報だったのにも関わらずに俺も百合も傘は持っていなかった。
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