「記憶のない祖父に、私は今も導かれている」 〜無意識の中で生き続ける家族の記憶〜
「記憶のない祖父に、私は今も導かれている」〜無意識の中で生き続ける家族の記憶〜●思い出せない祖父11月3日は、母方の祖父の命日です。私が5歳の時に亡くなったため、どんな人で、どんな声だったのかも覚えていません。母や叔母から話を聞いても、祖父という存在はどこか遠く、現実の人物としてのイメージが湧かないままでした。●偶然の出会いがくれた手がかりそんな私が20代の頃、松本で祖父を知る人と出会いました。その方から祖父の話を聞くことができたのは、まるで祖父が「自分の存在を伝えに来た」かのような不思議な出来事でした。その瞬間、私の中でぼんやりしていた祖父の存在が、少しだけ輪郭を持ち始めたのです。●無意識の中に生きている祖父母精神分析を学ぶようになってから、自分の性格形成を考える中で、祖父母の存在の大きさに気づきました。両親だけでなく、祖父母に対して何を求めてきたのか。祖父に感じられなかった分、祖母に求めたものが今の私の土台をつくっているのではないか。そう考えると、たとえ記憶にはなくても、祖父母の生き方や価値観は無意識のうちに私の中に息づいているのだと感じます。●死を怖れず、再会を楽しみに祖父がそうしたように、私も自分の道を切り開き、商いをして生きています。きっとその背中を、どこかで見てきたのでしょう。いつか私がこの世を去るとき、祖父と祖母はニコニコと迎えに来てくれる気がします。そのときこそ、心ゆくまで祖父母に甘えられるのかもしれません。そう思うと、「死ぬこと」さえも少し楽しみに思えるのです。🌸あとがき今日は、大好きな祖父のことを思いながら、静かに感謝の時間を過ごしたいと思います。記憶にはな
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