東日本大震災 ~悲しくも壮大~
東日本大震災後,宮城県石巻市雄勝につくられた防潮堤。防潮堤とは,高潮や津波の侵入を防ぐもの。東日本大震災の時,石巻市雄勝は,津波による大きな被害を受けた。そして今,住民の命を守るために巨大な防潮堤が築かれたのだ。そんな防潮堤は,コンクリートでつくられた壁。簡単に言えばただの壁なのです。そんな壁に描かれた壁画。なんと壮大で美しい。私は言葉を失いました。圧巻です。命を守るための防潮堤。コンクリートの厚い壁。もし私が住人だったら,命を守るためとはいえ,土地を離れ防潮堤をつくることにすんなりと了解していたのだろうか。でも,壁画を見てなぜか故郷でもない土地に懐かしさを感じ,無機質なコンクリートに息遣いに似たものすら感じる。海底が透けて見えるほど,なんと美しい海。でもその海には,今でも海底清掃ができずに,瓦礫が沈むという。私の目に確かに見えたもの。それは,海に生きる生き物たちと,釣りを楽しむ人。東日本大震災の時,私は2人の子を守ることに必死でした。震災の被害を知ったのは,電気や新聞などのライフラインが回復してからのこと。海岸にはたくさんの遺体…などの情報をニュースで見た。何年も海岸に近づくことができなかった。私が海に行こうと思えるようになったのは,復興がすすみ,海の様子が昔のようにもどってきていることを知ってから。また海に行こう。春も,夏も,秋も,冬も。また写真を撮ろう。空と海と,人の想いをレンズに込めて。
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