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【もしもメールができたなら】

 今から四半世紀以上昔になるが、当時の  私は、ワーク・ライフ・バランスなどは  どこ吹く風。脇目もふらずに仕事に精を  出していた。自己肯定感の低いアダルト  チルドレンだけに、自分から告白をする  ことはないが、向こうも私を好きでいる、  ということも職場内であったようである。 ────────────────────  私の恋愛パターンは、ほぼ決まっていて、  いつも見る方向を違える、というものだ。  私がAさんを好きでいる時に、Bさんが  私を好きでいる。だが、私はAさんしか  見ておらずBさんの気持ちに気づかない。  かくして、私は、Aさんへの恋は叶わず、  Bさんには、私への恋が叶わないという  悲しい思いをさせ、後には何も残らない。 ────────────────────  十代から二十代にかけての若かりし頃は、  このようなことが何度かあったようだが、  四半世紀以上昔、職場であった淡い恋の  顛末は、一生忘れられないし悔いも残る。 ────────────────────  初めて二人で食事し、初めてクリスマス  プレゼントを贈り、初めてバレンタイン  に手作りクッキーをもらった彼女。あれ  ほど私との交流を自分にとって好ましく  大切なものとして積極的に求めてくれた  人は他にはいない。殺伐とした業務の中、  甘えられたり、食事に誘われたり、心が  温まるメッセージを書いたメモをそっと  渡してくれたり、どんなに慰められたか。  ひょんなことから彼女の気持ちは知って  いたので、自分の方でも憎からず思って  いるのだから、お互いの思いを打ち明け  合う機会
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