共働き夫婦、お互いの「自由」と「つながり」をどう両立する?
言葉にできない違和感その日、カウンセリングルームに入ってきたクライエントは、少し緊張した面持ちだった。椅子に座ると、バッグを膝の上に置き、何か言いたいことを探すように視線を泳がせた。「えっと......どこから話せばいいのか、よくわからないんですけど」クライエントは小さく息を吐いた。「実は、結婚して数年になるんですが、最近、なんというか......モヤモヤしてるんです」ダイキは静かに頷いた。「モヤモヤ、ですか。どんな感じのモヤモヤでしょう?」クライエントは少し考えてから、ゆっくりと言葉を紡ぎ始めた。「夫とは、結婚前から『お互い自立した関係でいよう』って話してたんです。私も仕事を続けたいし、夫も自分のキャリアを大事にしたい。だから、家事も分担して、お互いの時間も尊重して......って」「うんうん」「でも、なんか......違うんです。最初はうまくいってると思ってたんですけど」クライエントの声が少しトーンを落とした。「どのあたりから『違う』って感じ始めましたか?」ダイキは穏やかに尋ねた。クライエントは少し考え込んだ。「いつからなんでしょうね......気づいたら、ずっとモヤモヤしてた気がします」クライエントは手元のバッグをぎゅっと握った。「でも、はっきり『これが嫌』とか言えないんです。夫は優しいし、家事もちゃんとやってくれるし、何も文句はないはずなのに......」「文句はないはず、なのに?」「なんか、寂しいような、でも夫に合わせすぎてるような、でも距離を取りたいような......」クライエントは言葉を探しているようだった。ダイキは待った。窓の外を通る車の音だけが、静かな部屋に響
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