忘れたはずだったのに──12年越しの再会が、心を乱した夜
これは、ある女性が私のもとへ相談に来たときの話です。一見、明るく穏やかな日常を送っているように見えた彼女。けれど、その胸の奥には、長いあいだ誰にも話せなかった想いが静かに眠っていました。「今さら、こんな話…って思われるかもしれないけど」少し照れくさそうに、でもどこか切実な表情で、彼女は静かに語り始めた──。1枚の写真から始まった朝朝、目を覚ますとスマホに通知が残っていた。差出人は、昔の会社で同期だった友人。送られてきたのは1枚の写真と、たった一言のメッセージだった。「この人、知ってる?」寝ぼけたまま、その写真を開いたのは翌朝だった。その瞬間、胸の奥が一気に熱くなる──そこに映っていたのは、12年前に心から愛した人だった。画面越しの彼は、ハンサムな顔立ちはそのままに、年を重ねた優しい目尻のシワが印象的だった。洗練された装いと、柔らかい笑顔。たった一瞬で、心の奥にしまい込んでいた“時間”がふっと動き出した気がした。写真を送ってきた友人は驚いていた。「なんかこの人、あなたたちのこと、すごくよく知ってたよ!」──そりゃそうだ。私があの頃、彼の話ばかりしていたから。彼は、人生で初めて一目惚れし、心の底から好きになった特別な人だった。忘れようとする日々と、頭の中のメロディその日から、私は自分の心と静かに戦う日々を送った。写真を見た夜から、あの頃2人でよく聴いていた曲が、何度も何度も頭の中を流れ続けた。料理をしているとき、子どもを寝かしつけるとき、ふとした瞬間にメロディが蘇る。胸の奥がきゅっと締めつけられ、気づけば涙が滲んでいた。「もう昔のこと」「忘れたはず」──そう自分に言い聞かせながら、
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