僕が、僕の本音を見つけるまで。〜雪山スノボ編②
スキー場に来てからは、平和な毎日が続いた。仕事のストレスも少なく気楽だった。思えば、1ヶ月で契約満了の予定だったが、いつの間にか、3ヶ月も延長していた。僕にとってこれは、本当に珍しい事だった。何度か住み込みのバイトを経験したが、1ヶ月経つと例外なく辛くなっていた。それは、仕事内容への飽きや、人間関係の我慢、住んでいる町への閉塞感などから生じていた。だから毎回、残りの期間は、空元気で乗り切っていた。非常にしんどかった。だから僕は、そうなることを見越して、スキー場の契約も1ヶ月からにしていた。しかし今回は、いい意味でその予想を裏切られた。仕事内容は単調であったものの、それを忘れさせてくれるほどの、人間関係の楽しさがあった。スタッフみんな、スローライフマインド(?)的なものをもっていたし、小学生ぶりくらいに、居心地が良い友達とも出会えた。久しく忘れていた、心から楽しむ感覚を思い出せた。この環境ではなかったら、僕は確実に延長していなかった。本当にかけがえのない日々だった。だからこそ、帰宅の日は寂しかった。今まで、学校の卒業式ですら、寂しさを感じたことがなかった僕だが、この時に、人間の本来の温かさを取り戻せた気がした。改めて、いい時間を過ごせた。その子たちとは、今も連絡を取り合う仲だが、いつも僕の孤独を忘れさせてくれる。しかし、1年前の僕では、この出会いは生まれなかったと思う。自分の心を優先し、外側の変化を繰り返しながら、そこで関わる人間関係の相互作用で、内的な変化が生じた結果だと思っている。自分で言うのはおこがましいが、昔の自分から比べると、考え方も感じ方もまるで変わった本当に別人にな
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