少年時代の葛藤を思い出すショートストーリー『sixteen』
『sixteen』街の外れにある河原に面した公園。
人目につかない日陰を選んで腰を下ろす。
ポケットからくしゃくしゃになったタバコを取り出し、
空に向かって煙を吐き出す。
人目につかないところを選んだのは、
見つかって停学や退学になることが怖いんじゃない。
つまんないことをいちいちうるさく言う大人とはしゃべるのも面倒だし、
誰かに何かを話したところで、
俺の思いを分かってくれる人がいるとは思えないからだ。
まあ、俺自身もうまく言葉にできないからこうしてるんだけど。
高校生になれば幾ばくかの自由を得られると思っていた。
もちろん中学生のときよりは自由だ。
金を持って登校していいということは、
帰りは自由に遊んで帰っていいわけだ。
義務教育から外れたということは、
遅刻も早退も、行くも行かぬも自分の判断。
部活に青春をかけることも選べれば、
いい大学目指して勉強に励むことも選べる。
仲間とつるむことも選べれば、
ひとりを選択することもできる。
でも結局俺は、どれでもない。
何かを選んだわけでも、
自由になれたわけでもない。
きらめく水面に石を投げ込みたくなったが、
それすら面倒くさい。
そう。
きっとこーゆーことなんだ。頭で何かしたらおもしろいかもと思っても、
行動におこすことはめんどくさい。
実際石を投げてみれば、
もっとあっちを狙ったのにとか、
思ったより遠くに飛んだぜとか、
楽しめることはあるはずだ。
でもきっとすぐ飽きる。
誰かと何かをしゃべっているときも、
誰かと何かで遊んでいても、
いつもどこかで距離を感じてしまう。
楽しく感じたはずなのに。
俺だって昔からこうだったわ
0