「修繕積立金が月2万円!?高すぎるので、この物件はやめておきます・・。」
中古マンションを探していると、よく聞くセリフです。
でもその判断、ちょっともったいないかもしれません!
どーも、Ponchaです('ω')
マンション購入のご相談で、よく聞かれるのが
「管理費と修繕積立金って、普通はいくらぐらいなんですか?」
「この物件の修繕積立金って、高いんですか?安いんですか?」
という質問です。
ポータルサイトには金額は載っていても、
それが高いのか安いのかまでは書いてありません。
担当者さんに聞いても「まぁ平均的ですね~」とサラッと流されてしまうことも・・。
ということで今回は、
マンションの管理費・修繕積立金の相場はいくら?平均額・㎡単価・大規模修繕の目安を解説【前編】
というテーマでお話ししたいと思います。
今回は少し長くなるので、前編・後編の2部構成にしました!
前編でお答えするのは、この3つです。
・①管理費・修繕積立金の全国平均と、首都圏の相場
・②㎡単価で見る「修繕積立金の目安」
・③大規模修繕から逆算する「戸数×〇〇万円」の考え方
「修繕積立金が高いとやばいのか?」
「戸数・店舗・自主管理で何が変わるのか?」
は後編でお話しします!
今回の数字は、国土交通省やレインズ(東日本不動産流通機構)の公表データをもとにしています。
出典も載せていますので、安心して読んでください(^^♪
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まず、管理費と修繕積立金の違いをおさらい!
新築でも中古でもマンションを購入した後、毎月支払う必要がある
管理費
修繕積立金
というものがあります!
改めてそれぞれの違いを表すとこんな感じです!
・管理費 ⇒ 日々の管理に使うお金(管理会社への委託費、清掃、共用部の電気代、エレベーター点検など)
・修繕積立金 ⇒ 将来の修繕のために貯めておくお金(外壁・屋上防水・給排水管・エレベーターの更新・交換など)
管理費は「毎年使うお財布」、
修繕積立金は「積み立てておく貯金箱」
というイメージです!
少しマニアックなお話になりますが、
この2つは、会計自体も別々に管理されていて、
管理費が足りないからといって、
修繕積立金から自由に取り崩して使うことはできません。
詳しい違いは、こちらの記事でお話ししています!
マンション購入 管理費・修繕積立金とは?管理組合と管理会社の違い・長期修繕計画について徹底解説
①管理費・修繕積立金の全国平均はいくら!?
毎月支払っている管理費と修繕積立金。
そもそも、適正な価格帯っていくらなのでしょうか?
まずは、全国の平均から見ていきましょう!
答え:管理費 約1.15万円、修繕積立金 約1.3万円(1戸あたり月額)
国土交通省が5年に1回行っている「マンション総合調査」の最新版(令和5年度)では、
下記のこうなっています。
・管理費 月額 11,503円(1戸あたり平均)
・修繕積立金 月額 13,054円(1戸あたり平均)
・合計 月額 約24,500円
出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査」(駐車場使用料等からの充当額を除いた金額)
修繕積立金は、前回(平成30年度)の11,243円から約1,800円アップ。
平成11年度(7,378円)と比べると、約1.8倍に増えています!
まあ、工事費も上がっていますし、
国のガイドラインも見直されているので、
修繕積立金は「上がっていくもの」と思っておいた方が良いですね!
首都圏の相場は?
全国平均には地方のマンションも含まれます。
首都圏とでは、価格面は大きく異なります!
首都圏で物件を探している方にとってもわかりやすいように
首都圏の平均を出してみました!
レインズ(東日本不動産流通機構)が2026年5月に公表した、
2025年度に首都圏で実際に成約した中古マンションのデータです。
・首都圏全体 管理費 13,895円/修繕積立金 13,910円(合計 27,805円)
・横浜・川崎 管理費 13,118円/修繕積立金 14,547円(合計 27,665円)
・東京都多摩 管理費 12,923円/修繕積立金 14,371円(合計 27,294円)
・神奈川県他 管理費 13,657円/修繕積立金 13,547円(合計 27,204円)
・埼玉県 管理費 12,018円/修繕積立金 13,692円(合計 25,710円)
・東京都区部 管理費 15,291円/修繕積立金 13,665円(合計 28,957円)
出典:東日本不動産流通機構「REINS TOPIC 首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2025年度)」(1戸あたり月額の平均)
町田は「東京都多摩」、
相模原は「神奈川県他」に入ります。
首都圏の中古マンションは、
管理費+修繕積立金で月2.5万~3万円
が「普通のゾーン」ということですね!
ちなみに首都圏では、
修繕積立金が前年度から5.6%も上がっています。
管理費は+0.3%でほぼ横ばいなので、
修繕積立金だけがグッと上がっている状況です。
工事費の高騰で、修繕積立金を見直すマンションが増えているのだと思います!
築年数で、修繕積立金はこんなに違う!
次は築年数別でみていきましょう!
同じレインズのデータを、築年数別に見るとこうなります。
・築10年以内 修繕積立金 10,474円(167円/㎡)
・築11~20年 修繕積立金 15,716円(231円/㎡)
・築21~30年 修繕積立金 16,588円(239円/㎡)
・築30年超 修繕積立金 12,835円(218円/㎡)
出典:同上
築10年以内のマンションは、修繕積立金がかなり安いのがわかりますよね。
これは、単純に築浅だから安い!というわけではなく、
新築時に
「最初は安く、あとから段階的に上げていく」設定(段階増額積立方式)になっている物件が多いためです。
国土交通省の調査では、2015年以降に完成したマンションの81.2%がこの方式になっています。
(令和5年度マンション総合調査)
つまり、築浅で修繕積立金が安い物件は、
「これから上がることが、ほぼ決まっている」
と思っておいた方が良いです!
新築時はとにかく物件を早期売却することが大前提になるため、
少しでもランニングコストを抑えて、月々の支払いを安く見せるようにしているのも
デベロッパーの戦略なんですね!
逆に築30年超で下がっているのは、
昔の低い設定のまま来ているマンションなども含まれているためだと思います。
このあたりは、後編で詳しくお話しします!
②㎡単価で見る「修繕積立金の目安」
平均は何となくわかったけど、
「じゃあ、この物件はどうなの?」
という時に使えるのが、国土交通省の
「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(2024年6月改定)です。
このガイドラインでは、実際の長期修繕計画(366事例)をもとに、
「専有面積1㎡あたり、毎月いくら積み立てれば足りるのか」
の目安が示されています。
世帯数や建物の規模によって、修繕積立金の額は大きく異なるからなんです!
【地上20階未満】
・延床面積 5,000㎡未満 平均 335円/㎡(235~430円)
・延床面積 5,000~10,000㎡ 平均 252円/㎡(170~320円)
・延床面積 10,000~20,000㎡ 平均 271円/㎡(200~330円)
・延床面積 20,000㎡以上 平均 255円/㎡(190~325円)
【地上20階以上(タワーマンション)】
・平均 338円/㎡(240~410円)
出典:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)
※カッコ内は事例の3分の2が収まる幅。機械式駐車場がある場合は、別途上乗せが必要です。
少し前までは
「200円/㎡くらいが目安」
と言われることも多かったのですが、
ガイドラインの改定で、目安の金額はかなり上がっています。
上記からわかるのは
建物の規模が小さいと高くなる!
だけど、タワマンも高くなる
ということが見て取れます!
これはなぜかというと、
小規模の建物というのは、
世帯数が少ない分、修繕積立金を支払う分母がそもそも少ないため
修繕積立金がたまりづらいです!
かといって、大規模修繕などを行う場合、
10世帯の規模の建物と
50世帯の規模の建物
とでは、支払う金額は5倍になるか?
というとそんなことはありません。
もっと安く行えます!
このように規模が小さい建物の場合、積立金はたまりづらいけど、
大規模修繕ではそこそこ費用は必要になるため、
修繕積立金を少し高めに設定しておかないと、大規模修繕が行えない!
となってしまいます!
タワーマンションの場合は、
設備が充実している分、普通のマンションではかからないメンテナンス費用
大規模修繕の修繕方法が特殊
といった、また違った部分が関係して、修繕費用が高くなってしまいます!
70㎡の住戸だと、月いくら?
せっかくなので、もう少し具体的な金額を見ていきましょう!
例えば、70㎡の3LDKで計算してみると、こうなります。
・小規模(延床5,000㎡未満) 335円 × 70㎡ = 月 約23,450円
・中規模(延床5,000~10,000㎡) 252円 × 70㎡ = 月 約17,640円
・タワーマンション 338円 × 70㎡ = 月 約23,660円
ちなみに延床5,000㎡は、70㎡前後の住戸だと
ざっくり50戸くらいの規模です。
「え、全国平均の13,000円よりだいぶ高くない!?」
と思った方、鋭いです!
ここが一番の注意点!
このガイドラインの金額は、
長期修繕計画の期間全体(30年以上)をならした平均額
です。
なので、今払っている修繕積立金とそのまま比べるものではありません。
(正確には、長期修繕計画の「積立金の総額」から計算して比べます)
→要は、
築10年までは5000円、
築20年までは10000円、
築30年までは15000円
と、値上げする場合、
築30年から購入した人からすると、最初から15000円を支払うことになります!
が、平均値として均すと、10000円
という考えになるからです!
(わかりますかね・・・?)
つまりガイドラインの金額というのは、
今の修繕積立金がこの目安より安い = 将来の値上げ幅が大きい
と考えていただくと良いとですね!
例えば、
築5年・70㎡で修繕積立金が月8,000円(約114円/㎡)の物件なら、
ガイドラインの平均は13000円ですので、
将来は今の2倍以上になってもおかしくない、
ということですね。
③大規模修繕から逆算する「戸数×〇〇万円」の考え方
つぎは、修繕積立金の価格の考え方についてです!
結構マニアックですが、非常に大事なのでついてきてくださいね!
修繕積立金の一番大きな使い道は、
十数年に1回行う
「大規模修繕工事」(足場を組んで、外壁や屋上防水などをまとめて直す工事)
です。
この大規模修繕のお金が足りているかどうかで、
そのマンションの「健康状態」がかなり見えてきます。
大規模修繕の周期は?
国土交通省の実態調査(令和3年度・818件)では、こうなっています。
・修繕周期は「13年」が最も多く、全体の約7割が12~15年周期
・1回目の大規模修繕は、築15年(中央値)で実施
出典:国土交通省「令和3年度 マンション大規模修繕工事に関する実態調査」
長期修繕計画では12年前後の周期で組まれていることも多いので、
10~13年スパンで「次の工事までにお金が貯まるか」
を考えておくと安心です!
1回の大規模修繕、1戸あたりいくらかかる?
ここで気になるのが、大規模修繕ってどのくらいかかるのか?
当然、規模や建物の形状、世帯数によっても全然異なりますが、
同じ調査の「1戸あたりの工事金額」としてみましょう!
・最も多いのは 100~125万円/戸(27.0%)
・次いで 75~100万円/戸(24.7%)、125~150万円/戸(17.4%)
・1回目の大規模修繕の中央値は 110.2万円/戸
出典:同上
なので不動産の現場では、よく
「大規模修繕までに、戸数×100万円が貯まっているか」
を一つの目安にします。
要は、50世帯ある建物の場合は、
50世帯 × 100万 = 5000万円(大規模修繕にかかる費用)
という計算です!
ただし、この辺もちょっと注意が必要です!
ただし今は「戸数×150万円」で見た方が安全!
先ほど目安をお伝えしましたが、最近は人件費、材料費の高騰で
もう少し高く見積もっておいた方が良いです!
さらに、先ほどの調査の工事金額には、
・消費税が含まれていない
・共通仮設費(現場事務所の設置費など)が含まれていない
・2018~2021年ごろに受注した工事の価格
という前提があります!
しかも、そこから工事費はさらに上がっています。
国土交通省の建設工事費デフレーター(住宅総合)は、
2020年度を100とすると、
2026年は120台後半。
ここ5年ちょっとで、工事費は2割以上上がっている計算です。
ざっくり計算すると、
110万円(中央値)× 1.1(消費税)× 約1.2(工事費の上昇)≒ 約145万円/戸
なので私個人的には今、
「次の大規模修繕の前に、戸数×150万円くらい貯まっているか」
を目安に見るようにしています!
実際に計算してみましょう!
例えば、こんなマンションだとします。
・総戸数 40戸
・築11年(1回目の大規模修繕はまだ)
・修繕積立金の残高 4,200万円
必要な金額の目安は、
40戸 × 150万円 = 6,000万円
今の残高は4,200万円なので、
6,000万円 - 4,200万円 = 1,800万円の不足
1戸あたりにすると、
1,800万円 ÷ 40戸 = 45万円
です。
この場合、
①工事までに修繕積立金を値上げする
②工事のときに一時金を集める(1戸45万円!)
③管理組合で借入をする
④工事の範囲を減らす、時期を遅らせる
のどれかになる可能性が高いです。
一時金を支払うというケースはかなり稀で
実際は、
①と②の併合や
①と④の併合
などで調整することが多いです!
物件購入前に修繕積立金がどのくらい溜まっているのか?
を知るには、
管理会社が発行する
重要事項調査報告書で
「修繕積立金の残高」と「大規模修繕の予定」
の確認をした方が良いです!
ちなみに、この重要事項調査報告書は、一般の方は取得できず、
不動産会社の方が管理会社に依頼をして取得する形になります。
ちなみに、1回目の大規模修繕が終わった物件なら、
「前回の工事から何年経っているか」で考えます。
例えば前回の工事から6年経っていれば、
戸数×150万円の半分くらい(戸数×75万円)
は貯まっていてほしいイメージです。
毎月の金額に直すと?
今度は逆に、
毎月いくら積み立てれば、
1回分の大規模修繕に間に合うのか?
も見てみましょう。
・150万円 ÷(12年 × 12ヶ月)= 月 約10,400円
・150万円 ÷(15年 × 12ヶ月)= 月 約8,300円
つまり、外壁や防水などの大規模修繕だけで、
1戸あたり月8,000円~1万円くらいは必要
という計算です。
しかもこれは、足場を組んで行う工事の話。
実はこの調査の工事金額のうち、給排水管やエレベーターなどの設備工事は、
わずか1.6%しか含まれていません。
2回目・3回目の大規模修繕の頃には、給排水管の更新やエレベーターの交換など、
設備の大きな出費がこれとは別にやってきます。
国土交通省のガイドラインのモデルケースでも、
築30年間で必要な修繕費は1戸あたり約522万円、
均等に積み立てると月14,500円という試算になっています。
全国平均(13,054円)より少し高いくらいが、「普通に必要な金額」ということですね!
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、前編として、
マンションの管理費・修繕積立金の相場はいくら?平均額・㎡単価・大規模修繕の目安を解説【前編】
というテーマでお話をしました!
ポイントをまとめると、こんな感じです。
・全国平均は、管理費 約11,500円・修繕積立金 約13,000円(1戸あたり月額)
・首都圏の中古マンションは、合計で月2.5万~3万円が普通のゾーン
・修繕積立金の目安は、㎡あたり月250~335円(計画期間全体の平均)
・大規模修繕の前に「戸数×150万円」貯まっているかをチェック
後編では、「修繕積立金が高いとやばいのか?」をお話しします!
・高い=危険、ではない理由
・戸数が多いほど有利な理由
・店舗が入っているマンションの特徴
・自主管理マンションの落とし穴(と、たまにある当たり物件)
現場の話を交えながらお話ししたいと思います!
「この物件の修繕積立金、足りてる?」という方は、
物件名か重要事項調査報告書を送っていただければ、一緒にチェックします!
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ではでは(*'ω'*)/