先日、ある案件のオンライン面談を受けました。
内容は、クライアントが持っている公式LINE(と、なぜか私個人のLINEも)を紐付けて、そこに登録した人へ手動で返信していく、というものでした。返信用のマニュアルはあるものの「参考程度」で、実際は自分で考えて対応してほしいとのこと。話を聞いていくと、化粧品か何かの商品を登録者に買ってもらうことが最終的な目的のようでした。
面談中、気になったことがいくつかありました。
まず、クライアントの視線がずっと画面の少し上のあたりを見ていたこと。最初は緊張しているのかなと思っていたのですが、話が進んでもずっとその調子で、さすがに違和感を覚えました。
もう一つは、機密情報の取り扱いについて聞いたときの反応です。それまでの受け答えはスムーズだったのに、その質問をした瞬間だけ「え…!?なにそれ!?」というような、素の驚きが返ってきました。こちらが少し踏み込んで聞くと、最終的に「自分は弱小ですから…」というような言葉で返されました。何かの映画で聞いたことがあるような、渋くて不器用な言い回しだったのですが、その中身は「だから許してください」という、開き直りに近いニュアンスでした。
想定していた質問には淀みなく答えるのに、想定外の質問には途端に動揺する。まるで、その場で自分の言葉で話しているというより、誰かに用意された台本を読み上げているような印象を受けました。
その場では返事を保留にして、そのまま連絡することもなく終わりました。正直「何がそんなに引っかかったのか」を自分でもうまく説明できずにいました。
その翌日、たまたま「クラウドワークスの地雷案件」というテーマの動画に出会いました。見てみると、自分が感じていた違和感が、驚くほどそのまま言葉にされていました。「こんなにどんぴしゃなことある!?」と、答え合わせをするような感覚でした。
その動画では、こうした案件では発注者自身が主体的に判断しているわけではなく、上流にいる誰か(もっと大きな組織や、いわゆる「本部」のような存在)に言われるがまま、面談だけをこなしているケースがある、という話もされていました。もしそうだとすれば、あの視線も、あの台本のような受け答えも、納得がいく気がしました。
それ以来、気になる案件があると、その動画の内容や他にも集めた情報をNotebookLMに読み込ませて、案件の詳細と照らし合わせるようになりました。
ただ、しばらく使ってみて気づいたことがあります。NotebookLMに読み込ませているソースは、そもそも「地雷案件を見抜く」というテーマの情報が中心になりがちなので、聞き方によっては否定的な意見しか返ってこないことが多いんです。それだと、本当は問題のない案件まで「怪しい」と判断してしまう可能性があります。
なので最近は、気になる点を聞いたら、必ず「逆の見方をすると?」「好意的に解釈するとしたら?」と聞き直すようにしています。ツールが出す答えをそのまま信じるのではなく、一度立ち止まって、自分で判断する。最終的な判断は自分でするしかない、という感覚が強くなりました。
今のところ、私が「これは注意」と感じるサインは、主に4つあります。
①「プロを求めている」はずなのに、「経験を積んでいこう」と言われる
本来、クラウドソーシングでプロを探しているはずのクライアントが、「未経験でも大丈夫、仕事をしながら経験を積んでいきましょう」といったことを言ってくる場合があります。冷静に考えると、これは筋が通りません。教育コストを発注側が負担してまで未経験者を育てる理由は、通常のビジネスの構造としては成立しにくいはずです。
実際、こうした案件の中には、話を聞いていくとクライアント自身が運営しているスクールやコンサルに誘導されるケースもあります。「仕事をしながら学べる」という言葉の裏に、実は「仕事を発注したい」のではなく「講座や教材を売りたい」という本音が隠れていることがある、ということです。
②「テスト」と称した低単価の案件がある
本採用の前に、まずは低価格でのトライアルを求められることがあります。すべてがそうとは限りませんが、この仕組み自体が、正当な報酬を払う気があるかどうかを見極める材料になると感じています。
③ 募集の規模に対して、採用が極端に少ない
応募が何十件、何百件と集まっているのに、実際の採用は数件、あるいはゼロ。これは「本気で人を探している」というより、「とりあえず集めてみている」だけの状態かもしれません。
④ 募集内容に書かれていない条件が、後から出てくる
今回の案件も、募集の段階では「登録者に化粧品を1つ購入してもらうごとにインセンティブが発生する」というような話は一切書かれていませんでした。面談で初めて聞かされた内容です。
調べてみると、クラウドワークスのガイドラインには「別の仕事への誘導を目的として、本来存在しない業務内容を記載する依頼」を禁止する項目があり、募集内容と実際の業務内容が食い違うケースは、こうした規約に触れる可能性があるようです。募集文だけを見て「悪くなさそうだな」と思っても、実際の面談で全く別の条件が出てくることがある、というのは、今回学んだ大きな教訓の一つです。
正直に言うと、この見極めができるようになるほど、しんどくなる部分もあります。
実績がまだない今、案件に応募して積み上げていくしかないのに、応募すればするほど、こうした違和感のある案件に出会う確率の方が高い気がしています。見る目が育てば育つほど、「これも危ない」「これも変だ」と弾く数が増えて、結果的に契約までなかなか辿り着かない。皮肉な話ですが、慎重になるほど前に進みにくくなる、という感覚があります。
それでも、こうして一つひとつ違和感に向き合って、自分なりの基準を持てるようになったことは、無駄ではなかったと思っています。今は、こうした案件探しだけに頼らず、このブログを通じて発信を続けることも、もう一つの道として大事にしています。
今回は特に長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。