こんにちは!元店長サムです!
急な欠勤が出ると、どうしても最初に考えるのは、「誰か追加で来られないか」ということです。もちろん、それで解決するなら一番分かりやすい方法です。ただ、誰も来られない場合もあります。
そのときに、「人が足りないから無理だ」で止まってしまうと、次の判断ができません。そこで今回は、欠勤が出たときに営業を組み直すための考え方を、足す・動かす・減らす・変えるの4つに分けて考えてみます。
これは「必ずこの順番でやる」という手順ではありません。店舗の状況を見ながら、どの方向からなら営業を成立させられるかを考えるための4つの視点です。
1.足す|必要なところへ人を加える
一番分かりやすいのが「足す」です。休んだ人の代わりに出勤できる人を呼んだり、他店舗から応援を頼んだり、短時間だけでも入れる人を探したりする。これまで多くの店で行われてきた対応だと思います。
ただし、ここで一つ考えておきたいことがあります。必要なのは、「とにかく1人増やすこと」ではありません。たとえば、調理のあるポジションを一人で担当できる人が不足しているのに、その仕事をできない人を一人追加しても、問題がすべて解決するとは限りません。
「何が不足しているのか」を確認したうえで、その不足を補える人を足すことが重要です。同じ「1人追加」でも、誰を呼ぶかで意味が変わります。
2.動かす|残っている人の配置を変える
代わりの人が来られなくても、今いるスタッフの配置を変えることで対応できる場合があります。たとえば、普段ホールを担当している人を別のポジションへ動かす、一人分の仕事を二人で分担する、そうした対応です。
ここで大切なのは、「欠勤した人の仕事を丸ごと誰か一人へ渡す必要はない」ということです。一人分の仕事をそのまま一人で引き受けようとすると、負担が集中します。むしろ、この仕事はAさん、ここはBさん、この時間だけ店長というように分解した方が、現実的なこともあります。
「誰が代わりになるか」ではなく、仕事そのものを組み替えると考えると選択肢が増えます。
3.減らす|今日やらなくてもいい仕事を外す
欠勤が出て人が減っているのに、普段と同じ仕事量をそのまま残したらどうなるでしょう。当然、残っている人への負担は大きくなります。そこで必要になるのが、「今日は何をやらないか」を決めることです。
飲食店の仕事には、今すぐやらなければならない仕事と、少し後でもいい仕事があります。営業中でなければできないこと、明日に回せることもあれば、その日の状況によっては省けることもあります。これらを全部同じ優先順位で扱わない。
たとえば、急がない清掃や整理を後へ回したり、営業後でもできる作業をピーク後へ移したりする。通常営業中の補助作業を一時的に止めるなど、こうした「減らす」ができると、残った人を本当に必要な仕事へ集中させやすくなります。
欠勤が出たときほど、「いつもやっているから今日もやる」を一度疑う必要があります。
4.変える|いつものやり方そのものを変える
人が足りない、配置も変えた、仕事も減らした、それでも厳しい。そんなときは、仕事のやり方自体を変えられないかを考えます。
たとえば、複数人で分散していた仕事を一か所へ集約したり、注文や提供の流れを単純化したりする。担当範囲を狭める、判断を一人に集約するといった工夫も、同じ発想です。
ここでのポイントは、通常時と同じ営業方法を守ること自体を目的にしないことです。人員が違えば、営業の組み方が変わるのは当然です。「いつもの形をどう維持するか」ではなく、「今いる人で成立する形は何か」へ発想を切り替えます。
4つを組み合わせて使う
実際の欠勤対応では、この4つを一つだけ使うとは限りません。「足す」だけで解決することもあります。ただ、一人応援を頼みながら配置を動かし、後回しにできる仕事を減らし、一部の営業方法を変える、というように複数を組み合わせることもあります。
大事なのは、「人がいない」→「人を呼ぶ」という一本の考え方だけにしないことです。足せないなら動かせないか、動かしたら減らせないか、それでも厳しければ変えられないか。そう考えていくと、対応の選択肢が広がります。
「いつも通り営業する」が正解とは限らない
急な欠勤が出たとき、店長ほど、「何とか通常通り営業しなければ」と考えやすいものです。責任者ですから、そう考えるのは自然です。
ただ、人が減った状態で普段とまったく同じ営業を再現しようとすると、無理が出ることがあります。残ったスタッフへ負担が集中し、店長だけが走り回り、一つの遅れが別の遅れにつながって、結果として店全体が崩れていく。
だからこそ、「通常通りに戻す」ことより、「今の人員で成立する営業へ組み直す」ことを優先した方がいい場面があります。欠勤対応は、我慢して普段通りを続けることではありません。条件が変わったなら、営業の組み方も変える。それが現実的な対応です。
4つの考え方は、普段から持っておく
欠勤が出た瞬間に初めて「足す・動かす・減らす・変える」と考え始めても、すぐに答えが出ないことがあります。だからこそ、「この仕事なら誰を動かせるか」「忙しい日は何を後回しにできるか」「このポジションが欠けたら営業方法をどう変えるか」といったことを、普段から少し考えておくことが大切です。
緊急時の判断は、その場のひらめきだけで作るものではありません。普段から選択肢を持っている店ほど、急な変化にも対応しやすくなります。
急な欠勤が出たときは、足す・動かす・減らす・変える。この4つを一度思い出してみてください。「誰か来てくれないと無理だ」以外の答えが見つかるかもしれません。
次回は、さらに一歩手前の話をします。急な欠勤に強い店と弱い店の差は、実は欠勤が起きた当日ではなく、普段から「誰が何をできるか」をどれだけ把握しているかに表れます。次回は、「急な欠勤への強さは、普段の準備で決まる」というテーマで考えていきます。
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