日本の防災体制が、大きく変わろうとしています。
2026年11月2日、政府の新たな組織「防災庁」が発足する予定です。
地震、台風、豪雨、そして近年の大規模災害。
日本では毎年のように自然災害が発生し、私たちの生活だけでなく、企業活動にも大きな影響を与えています。
今回の防災庁設置は、こうした災害への対応を国として強化する動きです。
では、私たち中小企業にとって、どのような意味があるのでしょうか。
今回は、防災庁の設置というニュースをきっかけに、これからの企業経営とBCP(事業継続計画)について考えてみたいと思います。
■ そもそも「防災庁」とは何なのか?
これまで、日本の防災行政は内閣府を中心に、国土交通省、総務省、厚生労働省など、さまざまな省庁がそれぞれの役割を担ってきました。
新たに発足する防災庁は、政府全体の災害対応を横断的に調整し、事前の備えから災害発生時の対応、復旧・復興まで、一貫した司令塔機能を担う組織です。
重要なのは、災害が起きた後の対応だけではなく、災害が起きる前の「事前防災」を重視していることです。
被害が起きてから対処するだけでなく、被害をできる限り小さくする。
そして、被災しても社会の機能を維持する。
これが新しい防災体制の大きな方向性です。
■ 実は「企業の事業継続」も国の重要テーマ
防災庁の設置に向けた政府の基本方針には、民間企業を含む社会全体の事業継続体制の構築を推進する考え方が盛り込まれています。
なぜ企業の事業継続が重要なのでしょうか。
例えば、大規模地震が発生したとします。
食品工場が止まれば、食料の供給に影響します。
物流会社が止まれば、商品や生活必需品が届かなくなるかもしれません。
介護事業所が止まれば、日常的な支援を必要とする利用者の生活に影響します。
クリーニング工場が止まれば、医療機関や介護施設で使用するリネン類の供給に支障が出る可能性もあります。
つまり、企業の事業継続は、その会社だけの問題ではありません。
地域の暮らしや社会全体を支えることにもつながっているのです。
■ 防災庁ができたら、BCPは義務になる?
ここは気になるところではないでしょうか。
結論からいえば、防災庁が発足するからといって、すべての中小企業に一律でBCP作成が義務化されるわけではありません。
業種によっては、すでにBCPに関する特別な制度や義務がありますが、今回の防災庁設置と混同しないことが大切です。
一方で、企業の事業継続に対する社会的な関心が今後さらに高まることは十分に考えられます。
取引先から災害対応について質問されたとき。
新たな取引を始めるとき。
社内で防災体制を見直すとき。
「災害が起きた場合、どのように事業を継続するのか?」
その質問に答えられる準備をしておくことには意味があります。
■ 実は国には「BCPに取り組む企業」を支援する制度がある
ここで、ぜひ知っていただきたい制度があります。
それが、中小企業庁の「事業継続力強化計画」認定制度です。
これは、中小企業が自然災害などのリスクに備えて作成した事前対策の計画を、国が認定する制度です。
中小企業にとって取り組みやすいBCPの一つとして位置づけられています。
認定を受けると、条件に応じて次のような支援制度を活用できる場合があります。
・防災・減災設備に関する税制措置
・設備投資などに関する金融支援
・対象となる補助金での加点措置
・認定ロゴマークを利用した対外的なPR
ただし、認定を受ければすべての支援が自動的に適用されるわけではありません。各制度には要件や審査があります。
また、事業継続力強化計画と、企業が独自に作成する詳細なBCPは、目的や記載範囲が必ずしも同じではありません。
それぞれの違いを理解したうえで取り組むことが重要です。
■ これからの中小企業は「何も起きないこと」を前提にできない
経営者の方は、日々さまざまな課題に向き合っていると思います。
売上を伸ばす。
利益を確保する。
従業員を採用する。
新しい取引先を開拓する。
どれも重要な経営課題です。
しかし、仮に災害によって会社が1か月間営業できなくなった場合、それまでの営業努力が大きな影響を受ける可能性があります。
私は、BCPは単なる防災マニュアルではなく、経営計画の一部として考えるべきものだと思っています。
「どの業務だけは止めてはいけないのか」
「従業員の安全をどう確保するのか」
「設備や店舗が使えなくなったらどうするのか」
「復旧まで資金繰りを維持できるのか」
こうしたことを整理するのは、経営者にしかできない重要な仕事でもあります。
■ 防災庁発足をきっかけに、今できること
今回のニュースを見て、会社として何か対策を始めたいと感じた方もいるのではないでしょうか。
まずは大きな設備投資をする必要はありません。
最初の一歩は、自社の事業を整理することです。
従業員の安否確認方法。
会社にとって最も重要な業務。
取引先や仕入れ先への連絡方法。
代替拠点や代替業務の検討。
そして、非常事態に誰が意思決定するのか。
これらを一つずつ整理していくことが、BCP作成につながります。
大切なのは、書類を作って終わりにしないこと。
従業員と共有し、訓練し、定期的に見直していくことで、初めて実際に使える備えに近づきます。
■ 最後に:国が動き出す今、企業も自社の備えを見直してみませんか?
2026年11月2日、防災庁が発足する予定です。
今回の動きは、日本全体の防災体制を見直す大きな節目になると考えています。
もちろん、国や自治体の防災対策は重要です。
しかし、自社の従業員、設備、顧客、取引先を最もよく理解しているのは、その会社自身です。
だからこそ、国の対策を待つだけではなく、企業も自ら事業を守る準備を進めることが大切なのではないでしょうか。
現在、ココナラにて、中小企業・個人事業主様向けのBCP作成支援サービスを提供しています。
「BCPを作成したいけれど、何から始めればいいか分からない」
「無料のひな形だけでは自社に合わない」
「自社の業務やリスクに合わせた計画を作りたい」
そのような方は、ぜひ一度ご相談ください。
国が防災を強化する今こそ、自社の事業継続を考えるきっかけにしてみませんか?
▼ BCP作成支援サービスはこちら