取引先から突然「BCPを提出してください」と言われたら?中小企業が知っておきたい対応方法

取引先から突然「BCPを提出してください」と言われたら?中小企業が知っておきたい対応方法

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ある日、取引先からこんなメールが届いたとします。

「今後の安定的なお取引に向けて、御社の事業継続計画(BCP)について確認させてください」

……BCP? 何のことでしょうか?

慌ててインターネットで調べてみると、「事業継続計画」という言葉が出てきます。

地震や台風などの災害が発生した場合、どうやって事業を継続するのかをまとめた計画書のことらしい。

しかし、会社にはそんな書類はありません。

総務担当者に聞いても、社長に聞いても、誰も作成した記憶がない。

提出期限は来週。

さて、どうすればよいのでしょうか?

今回は、そんな状況を想定しながら、BCPと企業間取引の関係について考えてみたいと思います。

※上記は説明のための架空のケースです。

■ なぜ取引先はBCPを確認するのか?

少し立場を変えて考えてみましょう。

あなたが食品メーカーの購買担当者だったとします。

自社の商品を製造するために、ある中小企業から重要な部品や資材を仕入れています。

ところが、その仕入れ先が大規模災害に遭い、突然製造できなくなりました。

代わりに仕入れられる会社も見つかりません。

すると、自社の製造ラインまで停止する可能性があります。

つまり、取引先の事業停止は、自社の事業停止にもつながり得るのです。

こうした理由から、企業によっては、取引先の事業継続体制を確認する場合があります。

中小企業庁のBCP策定運用指針でも、緊急時の事業継続には取引先や協力企業との連携が重要だとされています。

BCPは、自社を守るためだけのものではありません。

取引先に対して、どのように供給やサービスを継続するかを考えるための計画でもあるのです。

■ BCPの提出を求められたら、最初に確認したいこと


突然依頼が届くと、すぐにインターネットでひな形を探したくなるかもしれません。

しかし、まず確認したいのは、相手が何を求めているのかという点です。

例えば、次のような違いがあります。

① BCPを策定しているかどうかの確認

「BCPはありますか?」という質問だけで、計画書の提出までは求められていないケースです。

② BCPに関するチェックシートへの回答

安否確認体制、代替拠点、復旧目標などを、指定された様式に記入するケースです。

③ BCP計画書そのものの提出

実際に作成した計画書の提出を求められるケースです。

これらは、必要な対応が異なります。

最初に、提出形式、対象となる事業、期限、求められる内容を確認しましょう。

また、BCPには緊急連絡先や設備の情報など、社外に公開すべきでない情報が含まれる場合もあります。

提出範囲や機密情報の取り扱いについても確認することが重要です。

■ 無料のひな形をダウンロードすれば十分?


インターネットには、無料で利用できるBCPのひな形が公開されています。

中小企業庁などの公的機関も、BCP策定に役立つ資料を提供しています。

これらを利用して自社で作成する方法は、十分に選択肢になります。

ただし、注意したいことがあります。

それは、ひな形の空欄を埋めることと、自社に合ったBCPを作ることは同じではないという点です。

例えば、製造業であれば設備や原材料の確保が重要になるでしょう。

物流業であれば、車両や燃料、ドライバー、配送ルートなどを考える必要があります。

クリーニング業であれば、工場の洗浄設備、ボイラー、水道、集配体制、お客様から預かっている衣類の管理なども重要です。

同じBCPでも、業種が変われば必要な対策が変わります。

さらに同じ業種であっても、従業員数、拠点数、設備、取引先などによって内容は異なります。

取引先に説明できるBCPにするためには、こうした自社の実態を反映させることが大切です。

■ BCPがまだない場合、どう対応すればいい?


では、実際に提出を求められたものの、まだBCPを作成していなかった場合はどうすればよいのでしょうか。

大切なのは、慌てて実態と異なる内容を記載しないことです。

例えば、代替工場がないのに「代替工場で生産を継続する」と書いても、実際の災害時には対応できません。

訓練を実施していないのに「定期的に訓練を実施している」と記載することも適切ではありません。

まずは、現時点で実施している対策と、今後整備する予定の対策を分けて整理します。

そのうえで、取引先に確認した提出要件に合わせて、計画を作成していきます。

もし期限までに完成が難しければ、現在の策定状況を正直に説明し、提出時期について相談することも考えられます。

無理に書類を完成させることよりも、実態に合った計画を作ることが重要です。

■ BCPは「会社の信用」を考えるきっかけにもなる


ここで少し、経営の視点から考えてみたいと思います。

企業同士が取引するとき、価格や品質、納期は重要な判断材料になります。

しかし、それだけではありません。

もし何か問題が起きた場合、その会社はどのように対応するのでしょうか。

顧客への連絡は迅速にできるのか。

別の方法で商品やサービスを提供できるのか。

復旧までの見通しを説明できるのか。

こうした対応力も、長期的な取引関係を考えるうえで重要になる場合があります。

もちろん、BCPがあるだけで新規取引が獲得できたり、取引先からの評価が上がったりするとは限りません。

それでも、自社の事業継続体制を整理しておくことは、取引先との話し合いを進める際にも役立ちます。

BCPは、災害対策であると同時に、取引先との約束を守るための準備でもあるのです。

■ 一度作れば、ずっと使えるわけではない


BCPを作成した後も、会社の状況は変わっていきます。

新しい従業員が入社する。

取引先が増える。

設備を入れ替える。

新しい店舗や工場ができる。

こうした変化があれば、以前作成したBCPが現在の会社の実態に合わなくなることもあります。

そのため、BCPは一度作成して終わりにするのではなく、定期的な見直しや訓練を行うことが大切です。

特に重要なのは、緊急時に実際に使える状態になっているかどうかです。

取引先への提出をきっかけにBCPを作成した場合でも、その後は自社の経営を守るための計画として活用していきたいものです。

■ 最後に:BCPを求められてから慌てないために


今回は、取引先からBCPの提出を求められた場合について考えてみました。

会社を経営していると、普段はあまり意識しない書類や管理体制について、突然確認を求められることがあります。

そんなときに、すでに必要な情報が整理されていれば、対応も進めやすくなります。

BCPについても同じです。

自社の重要業務、緊急時の責任者、代替手段、復旧の優先順位などを、平常時から整理しておくことには大きな意味があります。

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「取引先からBCPの提出を求められた」

「無料のひな形では自社に合う内容にならない」

「BCPを作成したいけれど、時間が取れない」

「すでに作成したBCPを見直したい」

そのようなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

業種や事業内容に合わせて、実際の業務を踏まえたBCP作成をサポートしています。

BCPは、いざというときに会社を守るための準備。そして、取引先との信頼関係を考えるための準備でもあります。

ぜひ、この機会に自社の事業継続について考えてみてはいかがでしょうか


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