ESが通らないのは、文章が下手だからじゃない

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ESを何社も出しているのに、書類選考で落ち続ける。そうなると「文章が下手なんだ」と思いがちだ。でも、落ちる原因はたいてい文章力そのものではない。読み手に伝わる形になっていないだけのことが多い。採用担当は1通を短い時間で読む。だから、読んだ瞬間に「何を伝えたいのか」が分からない文章は、そのまま先に進んでしまう。

1つ目は、経験を「事実の羅列」で終わらせていることだ。サークルで何をしたか、アルバイトで何を担当したか。それだけでは、読み手は「で、この人はどう考えて動いたのか」が分からない。やったことの後に、困ったことと、自分で考えて変えたことを1文ずつ足す。何を頑張ったかより、どう考えて動いたかが伝わる方が、人物像はずっと立体的になる。それだけで、同じ経験でも印象はかなり変わる。

2つ目は、どの企業にも当てはまる志望動機になっていることだ。「御社の事業に共感しました」だけでは、他の会社でも使い回せる。企業の事業や課題と、自分の経験を結ぶ一文を入れる。たとえば、その企業の取り組みに自分の経験がどう生きるかを具体的に書くくらいで十分だ。企業名を入れ替えても成立する志望動機は、そのままでは弱い。

3つ目は、全部盛り込もうとすることだ。伝えたい経験が多いほど、1つ1つが薄くなる。ESでは伝えるエピソードを1つに絞る。残りの経験は、面接で話す材料として取っておけばいい。書類は「会って話を聞きたい」と思わせるためのものだ。全部書かないと不安になる気持ちは分かるが、書類選考で大事なのは量より、1つの話の濃さだ。

書き直すときは、まず「このESで伝えたいことは何か」を1文で書いてみてほしい。その1文に合わない経験や一文は、思い切って削る。削った分、残ったエピソードの「考えて動いた部分」を厚くする。丁寧すぎる言い回しで長くなっている部分も、短く言い換えられないか見直すと、読みやすさはさらに上がる。

私「ことばの仕立屋」では、履歴書・ES・職務経歴書の文章添削サービスを出品しています。事実はそのままに、伝わる文章へ整えるのが中心で、経験の捏造はしません。まだ始めたばかりで実績はありませんが、進め方や含まれる範囲はサービスページに正直に書いています。

ESで手が止まっている方は、まず伝えたいことを1文にしてみてください。自分では気づきにくい「伝わっていない部分」を整えたいときは、選択肢のひとつとしてどうぞ。

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