ガクチカには、売上、参加人数、受賞、目標達成などの結果を書いた方がよいと言われます。確かに、数字があると取り組みの変化は伝わりやすくなります。
ただ、成果を強く見せようとするほど、「チームが何を達成したか」ばかりが残り、「本人が何を考え、何を担当したのか」が見えなくなることがあります。
結果が大きいのに、読んだ採用担当が人物像を想像できない。そんなガクチカになっていないか、提出前に確認してみてください。
■ 結果だけでは、本人の働き方まで分からない
たとえば、次のような文章があったとします。
「所属する学生団体では、イベントの参加者が減少していました。そこでSNSでの告知を強化し、投稿内容を改善した結果、参加者を30人から60人へ増やすことができました。」
数字があり、課題と結果も書かれています。一見すると、十分に具体的な文章に見えます。
しかし、このままではいくつか分からないことがあります。
・SNSを使うと決めたのは誰か
・本人は、企画、文章作成、画像制作、分析のどこを担当したのか
・なぜ投稿内容に問題があると考えたのか
・一度で成功したのか、途中で何を変えたのか
参加者が増えたことは分かっても、その人が入社後にどのように課題を捉え、周囲と働くのかまでは見えてきません。
■ 「私」を主語にしても、役割が見えるとは限らない
この問題を直そうとして、「私はSNSでの告知を強化しました」と書き換えるだけでは不十分な場合があります。
「強化した」「改善した」「工夫した」は便利な言葉ですが、具体的な動きが分からないままでも使えてしまいます。
大切なのは、無理に自分だけの成果へ変えることではありません。チームで決めたことはチームの判断として書き、その中で自分が担った範囲を分けることです。
たとえば、全体方針はチームで決め、自分は過去の投稿を調べて反応の違いを見つけたのかもしれません。ほかのメンバーへ役割分担を提案したのかもしれません。投稿後の数字を見て、内容や時間帯を変えたのかもしれません。
どれが優れているという話ではなく、実際に本人が行ったことを特定することが先です。
■ 行動の前にある「判断」が抜けていないか
ガクチカでは、実施したことを順番に並べるだけになりがちです。
「アンケートを行った。SNSを更新した。ポスターを作った。参加者が増えた。」
これでは、作業量は伝わっても、なぜその方法を選んだのかが分かりません。
同じSNS施策でも、「高校生は何を知りたいのかをアンケートで確認した」「過去の投稿を比較し、活動の雰囲気が伝わっていないと考えた」など、行動を選んだ理由があると、本人の考え方が見えるようになります。
採用側が知りたいのは、成果ではありません。別の課題に直面したときにも、同じようなプロセスを踏んで、課題解決ができるのかという点です。
■ 提出前に、文章を二つに分けて読んでみる
一度、ガクチカの文章から「団体・チームが達成したこと」と「自分が判断して動いたこと」を分けてみてください。
前者しか残らない場合は、本人の役割がまだ十分に書けていません。後者が行動の羅列だけになる場合は、その方法を選んだ理由が不足しています。
AIで添削した文章では、入力していないのに「自ら提案した」「リーダーとして主導した」と補われることもあります。文章としては強く見えても、事実でなければ使わない方が安全です。
成果を小さく見せる必要はありません。ただし、チームの成果と自分の寄与を混ぜず、自分の判断を実際より大きくしない。その方が、面接で深掘りされても説明しやすいガクチカになります。
■ 自分でガクチカを直したい方へ
この記事は、成果と本人の役割が混ざっていないかを見分けるところまでです。
課題、判断、役割、対策、試行錯誤、結果をどの順番で整理するか、一問ずつ質問を受けながら修正版を更新する方法は「ESセルフ添削キット」にまとめています。ガクチカだけでなく、志望動機、自己PR、研究・技術説明、長所・短所にも対応しています。
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