ESをChatGPTなどに入れると、誤字が減り、文章も読みやすくなります。一方で、返ってきた文章をそのまま提出しようとすると、「きれいだけれど、自分が書いた感じがしない」と思うこともあります。
AIを使うこと自体が問題なのではありません。大切なのは、文章が整ったあとに、本人の経験まで別のものに変わっていないかを確認することです。
AIは、言葉を整えたり、文章同士を自然につないだりするのが得意です。ただ、その自然さによって「書いていなかったことが増えた」「チームの成果が自分の成果のようになった」といった変化を見落としやすくなります。
完成度が高く見える文章ほど、そのまま提出する前に次の3点を確認してみてください。
1. 入力していない事実が増えていないか
AIは、文章を自然につなぐために、元の文章にはなかった理由や気持ちを補うことがあります。
たとえば、自分は「参加者が減っていたため、告知方法を変えた」としか書いていないのに、修正版では「メンバーの意欲低下に危機感を覚えた」といった感情が加わることがあります。
文章として自然でも、本人が実際に感じていなければ使わない方が安全です。元の文章と見比べ、説明できない理由や感情が増えていないか確認してみてください。
数字が変わっていなくても注意が必要です。「その結果」「〜と考えたため」といった言葉が加わるだけで、実際には確認できていない因果関係ができることもあります。事実だけでなく、出来事同士のつながりも自分の認識と同じかを見ます。
2. 自分が考えたことと、チームの成果を分けられるか
ガクチカでは、売上や参加人数などの成果が目立ちやすい一方、「本人が何を考え、何を担当したのか」が抜けることがあります。
採用側が知りたいのは、成果の大きさだけではありません。その中で本人が何を考え、どこを担当したのかが見えなければ、評価しにくい文章になります。
主語を「私」にして読み直したとき、自分が決めたことや動いたことを説明できるか確認してみてください。チーム全体の成果だけが残る場合は、まだ整理が必要です。
たとえば「施策を実施し、参加者を増やした」という文章だけでは、施策を考えた人、実行した人、改善した人が分かりません。全員で取り組んだことを無理に自分だけの成果にする必要はありませんが、自分が担った部分は分けて書く方が伝わります。
3. 面接で同じ内容を話せるか
ESは提出して終わりではなく、面接で質問される材料になります。
読み上げたときに普段使わない言葉が多い場合や、「なぜそう考えたのですか」と聞かれて答えに詰まる場合は、まだ自分の文章になっていません。
提出前に一度、本文を見ずに内容を話してみてください。「なぜそう考えたのか」「自分は何をしたのか」と聞かれて詰まる部分があれば、文章を難しくするより、もう一度経験を思い出す方が先です。
特に、普段は使わない抽象的な言葉には注意します。「課題解決に貢献した」「主体性を発揮した」と書いてあっても、具体的に何をしたのかをすぐ話せなければ、面接ではかえって説明が難しくなります。
AIに任せやすいことと、本人が決めることは分ける
誤字、重複、読みにくい一文を見つけることや、複数の言い回しを比べることはAIが得意です。こうした作業には、遠慮なく使ってよいと思います。
一方で、どの経験を選ぶか、そのとき何を考えていたか、どこまでが自分の役割だったかは、本人にしか決められません。AIは入力されていない背景を確認できないため、もっともらしい補足が正しいとは限りません。
「文章を整える作業」はAIへ任せても、「何を伝える文章にするか」まで丸ごと任せない。この線引きがあると、AIを使っても本人らしさを残しやすくなります。
3つとも当てはまらなければ、まずは提出前の最低限をクリア
ここで紹介したのは、AIの出力をそのまま提出しないための最低限の確認です。
実際に文章を直すときは、設問によって必要な順番が変わります。自己PRなら強みと行動が一致しているか、志望動機なら自分の経験と応募先がつながっているかなど、文章ごとの整理が必要です。
自分でESを直したい方へ
この記事は「直す前に気づくための3つの確認」までです。
具体的にどう直すかまで自分で進めたい方向けに、「ESセルフ添削キット」を用意しました。設問別の文章の骨格、10の確認観点、一問ずつ深掘りする継続プロンプト、第1稿・第2稿と更新する手順、ES本文と面接用の材料を分ける方法を収録しています。志望動機、ガクチカ、自己PR、研究・技術説明、長所・短所に対応しています。
AIに丸投げしない|一問ずつ深掘りするES添削プロンプト(500円)
自分だけでは判断が難しい場合や、人の目で確認してほしい場合は、個別のES添削も出品しています。