デッサンの説得力が跳ね上がる合格者の“床の捉え方”その①

記事
学び
美大受験を目指す皆さん、そしてデッサン力を劇的に向上させたい皆さん、こんにちは!

今回は、静物デッサンや卓上デッサンにおいて、多くの人が見落としがちな超重要テーマ「床(設置と影)の扱い方:その①」について解説します。

結論から言うと、床をモチーフの一部として丁寧に追うことは、モチーフ自身の質感や重量感、そして「硬さ」を表現する強力な武器になります。
実は、デッサンのレベルが伸び悩んでいる人の多くが、床を適当に描いています。「モチーフは一生懸命に描くのに、影はなんとなく黒くボカして終わり…」これ、本当にもったいないです!
なぜ床や影がそんなに重要なのか、添付した「針金」と「柔らかい縄」のデッサン例を参考に紐解いていきましょう。
床の影.png
同じ動きなのに「硬さ」が違う?秘密は床との距離感

添付の画像を見てみてください。上の「針金」と下の「柔らかい縄」は、どちらもほぼ同じ波状のうねり(動き)をしていますよね。
形が似ているにもかかわらず、私たちは直感的に「上が硬い針金」「下が柔らかい縄」だと見分けることができます。その理由は、床に接する面(強い影)や、床に落ちる影の描き方によって、床とモチーフとの距離が克明に説明されているからです。

【 床と「点」で離れる:硬くて軽い「針金」】
上の針金は、自身の硬さによって形状を保っているため、床とは「点」でしか接していません。
(影と距離の表現)
床にカチッと強く当たる極小の接地点(強い影)から離れると、モチーフはすぐに宙へ浮き上がります。
(得られる効果)
この「接地点の鋭さ」と「床とモチーフの間にできた距離」を丁寧に追うことで、針金特有のしなやかな硬さや、重力を無視した針金の軽やかな動きが表現できています。

【床に「面」で密着する:柔らかい「縄」】
下の縄は、自重とそのしなやかさによって、床の平らな面に沿ってペタッと接しています。
( 影と距離の表現)
床とモチーフとの距離はほぼゼロです。そのため、モチーフの真下に「太くて濃い影(落ち影)」が長く連続し、縄の繊維の隙間に回り込むような深い影が生まれます。
(得られる効果)
床との距離がない(密着している)ことを影で説明することで、縄の柔らかさ(自重で床になじむ性質)や、部分的に床から離れることよって、縄特有の張りまで表現できます。ちなみに、もっとしっかりと床につけてしまえばどっしりとした重厚感のある縄になりますし、軽やかに床から離れていく影を表現すれば、トラロープのようなポリエチレンでできた硬めの縄の表情が出ます。

今日のまとめ
モチーフが床に落とす影や接地点は、単なる暗いシミではありません。
「そのモチーフがどれくらい重いのか」「どれくらい硬いのか」を証明するとても重要な要素です。
床がおざなりになっている人は、今日から「モチーフそのもの」を描くのと同じくらいの熱量で、「床とモチーフの関係性」をしっかり観察してみてください。それだけで、あなたのデッサンの説得力は劇的に跳ね上がります!

次回(その②)は、床を攻略することで手に入るもう一つの大武器、「空間表現(奥行き)」について解説します。お楽しみに!

最後までお読みいただきありがとうございます。「デッサン添削及び個別カウンセリング」受付中です。お気軽にご相談ください。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す