みなさん、こんにちは!受験生・デッサン上達のための【一緒にカボチャを描こう】シリーズ、第2回目です。
▼ 前回の記事をまだ読んでいない方はこちら
前回は、光のあたる「明るい面」と、陰になる「暗い面」を大きく分ける一番基本的な稜線について解説しました。
今回はそこからもう少し詳細に稜線を取り、その形を繋げてみましょう。
「明暗は分けられたけれど、ここからどう描き進めればいいか分からない」と悩む受験生が陥りがちな失敗パターンがこちらです。
形の理解が甘い人はこのようにモチーフを見ています…
そう、形がすごく単調になってしまうんです。特に見えない部分の形がどのようにつながっていくのか理解しないと、とても単調な形になってしまいます。このまま描き進めると「風船のようにパンパンに張った形」。単調で無機質な丸さになってしまいます。
これを避けるためには、やはり「形(構造)を正しく理解すること」が重要です。さっそく次の手順をやってみましょう!
【実践】ヘタから底の中心まで!第2、第3の稜線を取る。
カボチャの形を単調にしないために、前回の稜線を発展させていきます。
今回は、さらに細かく面を切り替えるために、以下の2つの稜線を追加で取ります。
1. 「上の面」と「上側面」の間の稜線
2. 「側面」と「下の面」の間の稜線(写真には写っていませんが底の部分に貼ってあります。)
これらを探す時も、前回同様に真横から見たり、実際に手で触ってみたりすると見つけやすいです。
そして、ここで大切なポイントがあります。
印をつけるときは、「必ずカボチャの『ヘタ』から『底の中心』まで、自然に繋がる場所」に、練りゴムの目印をつけることです。
カボチャの稜線はすべて中心のヘタから始まり、底の中心に向かって収束しています。この点線が形の繋がりになります。
これが練りゴムを全て貼り付けたもの。
赤の線が「上の面」と「上側面」の間の稜線
青い線が「光が当たる面」と「陰の面」の稜線です。
そしてこれが印をつけた点を縦方向に繋げたものです。ぜひモチーフ触りながら、紙の上で線を結んでみてください。意外と平なところ、大きな張りがあるところ、ボコっとした肩があるところなど様々な形を感じることができると思います。
「この面はヘタのここから、底の中心につながっていくんだな」という一本の構造のラインとして捉えることできると思います。
【形の理解が深まったら、いよいよ調子をつけていきましょう!】
こうして稜線を取ってみると、おもしろい発見があります。
カボチャは丸みがあるモチーフなので、つい手首のスナップを効かせた大きな円弧のようなタッチばかりで描きがちですよね。しかしそれをしてしまうと前述したような風船かぼちゃになってしまうわけです。
調子をつける時の4つの注意点
構造が見えてきたらいよいよ調子をつけていきます。
シンプルに塗る段階ですが、ここで以下の4つのポイントを意識してみてください。
①明るい面・暗い面・そして「反射光」を意識する。
「反射光なんて、このモチーフには見えませんけど……」と思うかもしれません。しかし、現実世界では周囲に様々なものがあり、その影響を常に受けています。しかしデッサンを描く場合、モチーフを「白の床、白の空間」という異質な世界に存在させなければいけません(背景までしっかり描く場合は別です)。そのため、反射光は現実の見た目よりはるかに強く、意識的に入れる必要があります。これによって一気に白い世界に存在するという説得力が生まれます。
②質感を意識しながら調子をつける
かぼちゃらしい濃淡を捉えてみましょう。この時、モチーフを薄目で見てみるのがおすすめです。目が糸のように細くなるまで薄目で見てください。そうすると細かな情報が間引かれ、カボチャらしい大まかな調子の変化や濃淡がパッと浮き彫りになって見えてきます。これが遠目からでもか「かぼちゃだ」と理解できる、大きな印象、存在感になります。
③「固有色」を意識しながら調子をつける
カボチャの固有色は「濃い緑」です。デッサンは白黒の世界なので、絵の中で相対的にその色を感じさせなければなりません。今回は背景に何もない(白い)設定ですので、背景の白と比較して、カボチャがしっかり「濃い緑」に見える程度の暗い調子をしっかり乗せていきましょう。
④陰の面はティッシュやガーゼで擦(こす)る
光が当たる面(明部)に比べて、陰の面(暗部)は情報量が少ない(細かな明暗の変化が少ない)場所です。
鉛筆のざらざらしたタッチのせいで、紙の凹凸による「塗り残しの白」がポツポツと残っていると、陰が浮き出て見えてしまいます。陰の面はティッシュやガーゼで優しく擦ることで、邪魔になってしまう紙の白を無くし、奥へ回り込む暗がりを作ってあげましょう。
ここまでの調子を乗せるとこうなる!
「もうカボチャやん……」て思いますよね?
でもこれは「明るい・暗い・反射光」を意識しながら、目を薄めて、シンプルなタッチで塗っただけです。よく見るとわかりますが、『タッチの方向は自分で理解した形に沿って』入っていると思います。
細かな描き込みはまだしていませんが、この時点でカボチャの「どっしりとした重量感」「質感」「固有色の緑」がある程度出ていますね。
特に試験では時間制限があります。このように「立体感を出しながら、同時に質感も出し、固有色も意識する」という、一石二鳥・三鳥の進め方を覚えることが大切です。
受験生は是非ここまでの作業を15分でやってみましょう!
【次回予告:いよいよ最終回「描き込み」へ!】
土台、そして固有色と質感のベースが揃いました。
次回はいよいよ最終回!カボチャの皮の模様やヘタの細かなディテールなど、ガシガシ「描き込み」をしていくステップです。
しかし、描き込んでいくと、せっかくとった稜線(光と陰のバランス)が崩れて、立体感がなくなってしまうという最大の罠が待ち受けています。その突破法を解説しますので、次回もお楽しみに!