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ビジネス・マーケティング
KPIは多いほど良い?経営者が「次の30日で直す数字」を決める考え方
記事
ビジネス・マーケティング
Johnny Jeon
2026/09/21 16:48
売上、粗利率、営業利益率、在庫日数、売掛回収日数。
経営には、確認したい数字がたくさんあります。
数字を増やせば増やすほど、
経営管理が精密になるように感じるかもしれません。
しかし、実務では逆のことも起こります。
KPIが増えすぎると、
「結局、どこから手をつければいいのか分からない」
という状態になりやすいからです。
■ KPIを見る目的は「数字を集めること」ではない
KPIは、並べるための数字ではありません。
本来の目的は、
「次に何を改善するかを決めること」
です。
たとえば、ある会社で次の数字が悪化していたとします。
・売上高
・粗利率
・営業利益率
・売掛回収日数
・在庫日数
5つすべてに問題があるとしても、
同時にすべてを改善するのは現実的ではありません。
人も時間も限られています。
そのため必要なのは、
「問題があるKPIを見つけること」
だけではなく、
「どのKPIから改善するか」
を決めることです。
■ まず「現在地」と「目標」を分ける
KPIを見るときは、
現在値だけを見ても十分ではありません。
たとえば営業利益率が5%だったとしても、
自社目標が3%なら目標を上回っています。
一方、自社目標が10%なら、
5ポイントのGapがあります。
つまり重要なのは、
現在値
だけではなく、
現在値と目標値の差
です。
この差を見ることで、
「改善が必要かどうか」
を判断しやすくなります。
■ 前期比較だけでも足りない
前期より改善しているから安心、
とも限りません。
たとえば、
前期営業利益率:2%
今期営業利益率:4%
自社目標:8%
だった場合、
前期比では改善しています。
しかし目標とのGapはまだ4ポイントあります。
逆に、
前期比では少し悪化していても、
自社目標の範囲内であれば、
最優先で対応する必要がない場合もあります。
そのため、
前期比較
+
目標とのGap
の両方を見ることが重要です。
■ 「悪い数字」と「優先すべき数字」は同じではない
ここは特に重要です。
KPIが悪いからといって、
必ずしも最優先とは限りません。
たとえば、
KPI-A
目標との差は大きいが、
改善しても経営への影響が小さい
KPI-B
目標との差は中程度だが、
改善すると利益やCashへの影響が大きい
という場合があります。
このとき、
「目標との差が一番大きいKPI」
だけを追うより、
「改善したときの経営インパクト」
も合わせて考えた方が実務的です。
■ 改善余地は「参考額」として見る
一部のKPIは、
改善余地を金額に置き換えて考えることができます。
たとえば、
粗利率
在庫
売掛回収
固定費
などです。
ただし、ここで注意が必要です。
複数KPIの改善余地は、
互いに重複する場合があります。
たとえば、
粗利率改善による利益効果
と、
営業利益率改善による利益効果
を単純に足すと、
同じ改善効果を二重に数える可能性があります。
そのため、
改善余地の参考額は、
「優先順位を比較するための目安」
として使い、
すべてを合計して
「これだけ利益が増える」
とは考えない方が安全です。
■ すべてではなく「Top3」に絞る
経営者や管理者が次の30日で動くなら、
11個のKPIを同時に追うより、
優先Top3
に絞った方が実行しやすくなります。
たとえば、
1位:営業利益率
2位:売掛回収日数
3位:在庫日数
と決まれば、
次に確認する数字と、
取るべきActionが明確になります。
■ KPIをActionに変える
KPIは、表示しただけでは改善しません。
たとえば、
営業利益率が低い
という状態なら、
次の確認候補は、
・粗利率
・固定費
・販管費
・価格
・商品構成
などです。
売掛回収日数が長いなら、
・未回収先
・請求タイミング
・支払条件
・回収予定日
を確認します。
在庫日数が長いなら、
・滞留SKU
・販売速度
・発注量
・在庫金額
を確認します。
つまり、
KPI
↓
原因候補
↓
次に見る数字
↓
Action
までつなげて初めて、
経営管理に使えるようになります。
■ 30日という単位で区切る
改善期間を無期限にすると、
「いつか改善する」
という状態になりやすくなります。
そこで、
次の30日
という単位で区切ります。
たとえば、
Day30目標:
営業利益率 5% → 7%
と設定した場合、
その30日間で、
・何を確認するか
・誰が動くか
・いつまでに行うか
・どの数字で結果を見るか
を決めます。
KPIを「管理指標」から
「実行指標」に変えるイメージです。
■ 月初に決めた優先順位を固定しない
ここでもう一つ問題があります。
月初に、
「今月はこの3つを改善する」
と決めても、
途中で状況は変わります。
たとえば、
Week1では順調だったKPIが、
Week2で急に遅れることがあります。
逆に、
月初は問題だったKPIが、
早い段階で改善することもあります。
それでも月初のPriorityを30日間固定すると、
本当に今見るべき数字と、
実際に追っている数字がずれてしまいます。
■ 週次で「再優先」する
そこで、
Week1
Week2
Week3
Week4
と週次で進捗を確認します。
見るのは、
・週次実績
・進捗率
・残りGap
・遅れ週数
です。
たとえば、
KPI-A
進捗率90%
遅れ0週
KPI-B
進捗率45%
遅れ2週
なら、
月初ではAが優先順位1位だったとしても、
現在はBを優先すべき可能性があります。
このように、
Priorityを固定せず、
現在の進捗に応じて再計算する
という考え方が重要です。
■ 「月末に結果を見る」だけでは遅い
KPI管理でよくあるのが、
月末に数字を確認して、
「今月は未達だった」
と分かるケースです。
しかし、その時点ではその月は終わっています。
本当に改善につなげたいなら、
Month End Review
だけではなく、
Weekly Review
が必要です。
Week2で遅れが分かれば、
Week3からActionを変えられます。
Week3で改善すれば、
Week4では別のKPIへPriorityを移せます。
■ KPI管理で最低限確認したいこと
実務では、次の流れが分かりやすいです。
1. 現在値を確認する
2. 前期と比較する
3. 自社目標とのGapを見る
4. 改善余地を確認する
5. 優先Top3を決める
6. 次の30日Actionを決める
7. Week1〜4で進捗を追う
8. 遅れているKPIを再優先する
9. 月末にBefore / Afterを確認する
この流れにすると、
KPIが単なる一覧表ではなく、
改善のための運用サイクル
になります。
■ 「正しい目標値」は会社ごとに違う
KPIについて調べると、
「営業利益率は○%が理想」
「在庫日数は○日が適正」
といった数字を見かけます。
参考にはなります。
ただし、
業種
事業規模
成長段階
商品構成
資金状況
戦略
によって適切な目標値は変わります。
そのため、
外部の数字をそのまま自社目標にするのではなく、
自社の事業条件に合わせて目標を設定する
ことが重要です。
■ Excelで優先順位と30日Actionまで整理する
KPIが少なければ、
手作業でも管理できます。
しかし、
前期比較
目標Gap
改善余地
優先順位
Action
まで毎月整理すると、
作業量が増えていきます。
そこで私は、
本期・前期データと自社目標を入力すると、
・11KPIの診断
・前期比較
・目標とのGap
・改善余地の参考額
・要改善KPI
・優先Top3
・次に確認すべき数字
・30日Action
まで整理できるExcelツールとしてまとめています。
Coconalaでは、
「5分 経営KPI診断Excel」
として公開しています。
さらに、
Day30目標を設定し、
Week1〜4の実績
進捗率
残りGap
遅れ週数
から、
現在の最優先KPIを再計算しながら
30日間の実行を管理したい場合には、
「KPI 30日実行Excel」
という形で整理しています。
用途に応じて、
プロフィールの出品一覧から確認できます。
■ 最後に
KPIは、
多ければ多いほど良い
わけではありません。
重要なのは、
「今、どの数字を直すべきか」
が分かることです。
現在値を見る。
目標とのGapを見る。
改善余地を比較する。
優先Top3に絞る。
30日Actionへ落とす。
そして週次で進捗を確認し、
必要ならPriorityを変える。
KPIを見る目的は、
数字を管理することではなく、
次のActionを決めることです。
まずは自社の数字の中から、
「次の30日で本当に直す3つは何か」
を考えてみてください。
#KPI
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#業務改善
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