10月ごろ、保険会社から控除証明書が届きます。年末調整の申告書には、区分ごとに決まった式で計算した控除額を書く必要があります。手計算だと式の取り違えが起きやすいので、年間の保険料を入れると「申告書に書く控除額の目安」が出る表の作り方を書きます。税額そのものは出しません。最終は勤務先・税務署の指示と公式の様式が正です。
■ 先に知っておく3点
・申告書には、支払った保険料と、計算後の控除額をそれぞれ書く欄があります。
・契約した時期で式が違います。平成24年1月1日以後の契約は「新契約」、平成23年12月31日以前は「旧契約」です。控除証明書で確かめます。
・3区分(一般の生命保険・介護医療・個人年金)を合計して、上限は120,000円です。
■ 新契約の計算式(年間の支払保険料→控除額)
新生命保険料・介護医療保険料・新個人年金保険料の、それぞれに同じ式を使います。
・20,000円以下:全額
・20,000円超 40,000円以下:保険料×1/2+10,000円
・40,000円超 80,000円以下:保険料×1/4+20,000円
・80,000円超:一律40,000円
「支払保険料」は、その年に払った金額から、その年に受けた剰余金や割戻金を引いた額です。
■ 令和8年分からの変更:23歳未満の扶養親族がいる場合
対象は「新生命保険料」(一般の生命保険)だけです。介護医療・個人年金は変わりません。23歳未満の扶養親族を有する場合は、新生命保険料の式が次になります。
・30,000円以下:全額
・30,000円超 60,000円以下:保険料×1/2+15,000円
・60,000円超 120,000円以下:保険料×1/4+30,000円
・120,000円超:一律60,000円
3区分の合計の上限120,000円は、国税庁のページ上では変わっていません。自分が当てはまるかは、勤務先の申告書の案内で確かめてください(この記事では判定しません)。
■ 旧契約の式(平成23年12月31日以前の契約がある人)
・25,000円以下:全額
・25,000円超 50,000円以下:保険料×1/2+12,500円
・50,000円超 100,000円以下:保険料×1/4+25,000円
・100,000円超:一律50,000円
この記事のExcelの例は新契約のみが対象です。同じ区分に新旧の両方がある場合は、別々の控除額を単純に足さず、国税庁の説明と公式の申告書の計算欄で計算してください。
■ 表の作り方(新契約・標準の場合)
同じ区分の保険料は、1件ずつではなく合算してから計算します。例:同じ区分の2万円×2件なら、合計4万円から計算して控除額は3万円です(別々に計算して4万円にすると誤りです)。
列は、A 控除区分/B 同じ区分の年間支払保険料の合計/C 控除額(式)。2〜4行目に「一般の生命保険・介護医療・個人年金」を入れます。
C2の式(標準):
IF関数を3段に重ねます。B2が20,000以下ならB2、40,000以下ならB2÷2+10,000、80,000以下ならB2÷4+20,000、それより大きければ40,000を返し、全体をROUNDUP関数(桁数0)で包みます。
(1円未満は切り上げ。C3、C4も同じ式でB3、B4を参照します)
23歳未満の扶養親族がいて新生命保険料を払っている人の「一般の生命保険」の行だけ、別の式を使います:
しきい値と加算額だけを、30,000・60,000・120,000/15,000・30,000・60,000(一律は60,000)に置き換えた同じ形のIF関数です。
3区分の合計:
MIN関数でSUM(C2:C4)と120000の小さい方を返します。
入力するセルだけ色を付け、式のセルは保護しておくと、間違えて消しません。
■ 入力例(すべて架空の数字)
標準の枠で:
・一般の生命保険(新)80,000円→40,000円
・介護医療(新)40,000円→30,000円
・個人年金(新)30,000円→25,000円
・合計95,000円(120,000円以下なので、そのまま)
23歳未満の扶養親族がいる人の一般の生命保険(新)150,000円→60,000円(標準の枠なら40,000円)。
■ 地震保険料控除は別の欄です
・地震保険料:5万円以下は全額、5万円を超えると5万円。
・旧長期損害保険料(経過措置の要件を満たす契約に限ります):1万円以下は全額、1万円超2万円以下は支払額×1/2+5,000円、2万円超は1万5千円。
・両方ある場合は、それぞれを合わせて上限5万円。同じ契約が両方に当たる場合は、どちらか一方。
・生命保険料の合計120,000円の中には入りません。
■ よくある間違い
・控除証明書の「申告額」と「払込額」を取り違える。
・年の途中で解約した保険の扱いは、国税庁のQ&Aで確認する。
・配偶者・扶養の控除とは別の欄に書く。
■ 出典
国税庁 No.1140 生命保険料控除(令和8年4月1日現在法令等)
(国税庁ホームページ「タックスアンサー」で検索できます)
国税庁 No.1145 地震保険料控除
(国税庁ホームページ「タックスアンサー」で検索できます)
※AIを制作補助に利用しています。数字は国税庁の本文で確認しましたが、実際の申告は勤務先・税務署の案内に従ってください。