「去年より増えた」は、まだ分析ではない。

「去年より増えた」は、まだ分析ではない。

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今年の4月の売上は、去年の4月より12%増えた。前年比を出すと報告らしくなります。ただ、「増えた」で止まると、次に何をすればよいかは決まりません。

まず確認したいのは、比べ方が公平かどうかです。集計期間は同じか。扱う商品や部門は変わっていないか。返品の計上方法は同じか。条件が違えば、12%の一部は業績の変化ではなく、集計方法の違いかもしれません。

条件がそろったら、増加を分けます。商品別に見ると、一商品だけが大きく伸び、他は横ばいかもしれません。件数は増えず、平均単価だけ上がったのかもしれません。新しい顧客による増加か、既存顧客の注文量による増加かでも、次の打ち手は違います。

ここでも「原因が分かった」と急がないことが大切です。商品Aの売上増は事実。販促が効いたというのは、まだ可能性です。販促前後の注文数や対象外商品の動きなど、追加で何を見れば確かめられるかを決めます。分析は、比較した数字から次の確認へ進めることです。

前年との比較だけでは、途中の変化も見えません。4月の数字が12%増えていても、1月から毎月少しずつ伸びたのか、3月に急に跳ねたのかで話は違います。必要なら月別に戻り、変化が始まった時期を確認します。その時期に価格改定や在庫切れなどの出来事があったかを調べるのは、さらにその後です。数字と出来事を同じ紙に置いても、すぐ因果関係にはしません。

前年との比較には、営業日数や価格変更などの条件も添えます。同じ商品でも今年だけ値上げしたなら、売上金額の増加と販売数量の増加は別の話です。「金額は増、数量は横ばい」と書くだけで、次に調べることが変わります。前年比の一行から、発注量を増やす判断まで飛ばないための小さな区切りです。

今日のルールは、「増えた」と書いたら、続けて「どの部分が」「何によって」を別々の問いにすること。後半は、確認が済むまで仮説として扱います。

数字の差から追加確認の一文まで進める練習は「分析する練習」でできます。
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