Excelを開く前に、紙に書いた方が早いことがある。
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予算と実績を渡され、「目立つ差を分析して」と頼まれた。すぐExcelを開いて差額列を作ると、数字は出ます。でも、何を「目立つ」と呼ぶかが決まっていなければ、そこから先で止まります。
このようなとき、最初の数分は紙に書く方が早いことがあります。「誰が、何を決めたいのか」「比べる期間と単位は何か」「差を見つけた後に何を確かめるか」。三行で十分です。考えを画面の外へ出すと、必要な列と不要な列が見えます。
例えば来月の費用配分を決めるなら、差額の大きさだけでなく、繰り返し起きる差か、単発の差かが重要でしょう。紙に「継続か一時的かを見たい」と書けば、月別推移が必要だと分かります。一方、単月の予算実績表だけでは答えきれないことも先に分かります。
紙に書くことは、Excelを使わないという意味ではありません。目的と比較軸を先に決め、その後にExcelで集計し、検算し、結果を一文にします。順番を変えると、作る表の数が減り、説明も短くなります。Excelを操作しながら目的を探すより、目的を持ってから操作する方が迷いません。
紙に書いた問いが途中で変わっても構いません。データを見て「部門別の差より、同じ費目が三か月続けて増えていることが重要だ」と分かれば、最初の問いを更新します。大切なのは、問いが変わったことを自覚して表を作り直すことです。画面上で列を足し続けるだけだと、最初の目的も新しい目的も曖昧になります。
紙がなくても、Excelの最上部の空欄や別メモに書けば十分です。「差が大きい費目を三つ選び、追加確認先を決める」のように、出力と行動まで書く。すると、どのデータを集め、どの粒度で並べるかを選びやすくなります。先に決めるのは関数ではなく、仕事の終わり方です。
問いの一行は、作業後の検算にも使えます。最初に「差が大きい費目を三つ選ぶ」と書いたのに、完成した表から三つを選べないなら、途中で表の目的がずれています。見栄えがよくても、問いに答えられない表は作り直す余地があります。始める前の一行を、終わった後にも読み返してみてください。
今日のルールは、作業開始前に「この数字で決めること」を一行だけ書くこと。その一行が、最初に作る表を教えてくれます。