自動化する前に、一度手でやった方がいい仕事がある。

自動化する前に、一度手でやった方がいい仕事がある。

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毎月届く請求一覧と入金一覧の照合に時間が掛かる。自動化できれば楽になります。ただ、何を一致とし、何を例外とするか決まっていないまま式やマクロを組むと、あいまいな判断まで速く繰り返すことになります。

最初の一回は、少数の行を手で追う価値があります。請求IDは一つの取引を指すのか。分割入金はあるのか。入金日が翌月でも正常なのか。顧客コードが変わったときはどうするのか。実際の行を見ながらルールを言葉にすると、自動で拾える部分と、人の確認が要る部分が分かれます。

ここでいう「手でやる」は、全件を永遠に目視することではありません。代表的な数行を使って判断の型を作ることです。例えば、正常な一対一、分割入金、未入金、顧客コード不一致をそれぞれ一例ずつ見ます。その後、件数や金額差を出す式を作り、型に照らして期待通りの判定になるか試します。

自動化してからも例外は残ります。式が「要確認」とした行を誰が見て、何を確かめ、どこへ記録するかまで決めると、作業全体が回ります。処理が速くなるだけでなく、判断の抜け漏れも減らせます。

自動化後の確認方法も先に決めておきます。毎月、請求件数と入金件数を数え、照合済み・要確認・対象外の件数を足すと元の行数になるかを見る。新しい種類の取引が現れたら、機械がどう判定したかを人が確かめる。初めに手で作った判断の型が、この点検にも使えます。自動化は作業をゼロにする魔法ではなく、同じ判断を安定して繰り返す方法です。

手で試す対象は全件でなくて構いません。正常、重複、日付ずれ、部分入金など、判定が分かれる例を少数選びます。その結果を期待値として残せば、自動化した後に「速くなった」だけでなく「同じ結論になった」ことまで確認できます。

途中でルールが変わる仕事なら、変更日と変更内容も残しておきます。新しい判定を過去のデータ全体へ適用すると、以前は正常だった取引まで異常になるかもしれません。自動化の結果を信じるには、どの期間にどの基準を使ったかを説明できることも必要です。速さだけを成果にしないための記録です。

今日のルールは、自動化の前に正常一例・異常一例を手で説明できるようにすること。仕組みは、その説明を繰り返すために作ります。
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