求人誌に15万払って応募0件。「もう誰も来ない」の絶望

求人誌に15万払って応募0件。「もう誰も来ない」の絶望

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コラム

【ハローワーク全滅、有料求人広告の大失敗】


社内の雰囲気が悪化し、現場の職人たちに頭を下げて事務作業を免除した私。
残された道はただ一つ、「新しい事務員を採用すること」でした。

「条件さえ整えれば、一人くらいすぐに集まるだろう」
そんな甘い考えは、数週間後に木っ端微塵に打ち砕かれることになります。

ハローワークの応募者一覧に並ぶ「0」の数字

まず私が頼ったのは、昔ながらのハローワークでした。

担当者の方と一緒に求人票を作成し、給与や勤務条件を記入していきます。
従業員18名の小さな町工場ですが、相場通りの給与と週休2日、残業少なめという条件を設定しました。

「高橋社長、今はどこも人手不足ですからね。気長に待ちましょう」

そう言われて求人を出してから、1週間、2週間、そして1ヶ月。

毎週のようにハローワークのマイページを確認し、担当者に電話をかけましたが、返ってくる答えはいつも同じでした。

「今週も応募者はゼロですね…」

「閲覧はされているようですが、問い合わせまでは至っていません」

ハローワークの検索画面で、うちの求人票は膨大な他社の求人に埋もれ、誰の目にも留まっていないようでした。

毎日深夜まで残業しながら、いつ来るかもわからない電話を待つ日々。
焦りはピークに達していました。

「15万円」の決断と、高まる期待

ハローワークに限界を感じていたある日、事務所に一通の飛び込み営業の電話がかかってきました。

「社長様、ハローワークで人は集まっていますか?今の時代、若い求職者はみんなWEBや地域密着の求人誌を見ていますよ。」

藁にもすがる思いだった私は、営業マンの話に飛びつきました。
提示されたのは、地域で広く配布されている有名な求人誌とWEBサイトへの掲載プラン。

費用は、2週間の掲載で「15万円」。

決して安い金額ではありません。
15万円あれば、工場の新しい工具や消耗品がどれだけ買えるか。
しかし、このワンオペ地獄から抜け出せるならと、私は震える手で契約書にハンコを押しました。

営業マンと一緒に、見栄えの良い求人原稿を作り上げました。
「アットホームな職場!」「未経験歓迎!丁寧にお教えします!」といった魅力的なキャッチコピーが躍り、プロが撮影した写真が載った素晴らしい紙面が出来上がりました。

「これなら絶対に数人は応募が来ますよ!」

営業マンの言葉を信じ、私は掲載開始日をワクワクしながら待ちました。

鳴らない電話、鳴らないメール

そして迎えた掲載初日。

「いつ電話がかかってきてもいいように」と、私は一日中事務所から離れず、電話機の横で待機していました。
しかし、電話は一向に鳴りません。鳴る provide のは、既存の取引先からの納期確認の電話だけ。

掲載3日目:応募0件

掲載1週間:応募0件

掲載最終日:応募0件

結果は、「完全にゼロ」でした。

問い合わせの電話はおろか、WEBからの応募通知メール一通すら届きませんでした。
15万円という大金は、まるでドブに捨てたかのように一瞬で消え去ったのです。

暗闇の中で途方に暮れる夜

掲載期間が終わり、静まり返った事務所で一人、私は頭を抱えました。

15万円払って、得られた成果は何もなし。
残ったのは、クレジットの請求書と、相変わらず山積みになっている未処理の伝票だけでした。

「うちみたいな名前もない小さな町工場には、15万払っても誰も来てくれないのか」
「この世に、うちで働きたいと思ってくれる人間なんて一人もいないんじゃないか」

世間では「人手不足」と叫ばれていますが、その波に完全に飲み込まれ、取り残された感覚でした。

疲労と絶望で、視界がじんわりと滲んでいく。
この暗いトンネルから抜け出す方法は、もう永久に見つからないのではないか。
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