中古マンションの駐車場は購入後も使える?空き区画・使用契約・車両制限の確認ポイント

中古マンションの駐車場は購入後も使える?空き区画・使用契約・車両制限の確認ポイント

記事
コラム
中古マンションを購入するとき、車を所有している方にとって気になるのが駐車場です。

販売図面に「敷地内駐車場あり」と記載されていれば、購入後も利用できると思うかもしれません。

また、現在の売主が駐車場を使用している場合、その区画をそのまま引き継げると考える方もいるでしょう。

しかし、分譲マンションの駐車場は、住戸の売買と同時に利用できるとは限りません。

管理規約によって使用契約が定められていたり、空き区画の利用に抽選が必要だったりするためです。

さらに、駐車場に空きがあっても、所有している車のサイズによっては利用できない場合があります。

今回は、中古マンションを購入する際に確認したい駐車場の使用契約、空き状況、車両制限、契約前の確認事項について整理します。

■「駐車場あり」と「駐車場を利用できる」は違う

中古マンションの販売図面には、次のような記載が見られます。

・敷地内駐車場あり
・駐車場空きあり
・機械式駐車場
・駐車場使用料の月額表示

ここで注意したいのは、マンションに駐車場が設置されていることと、購入者が実際に使用できることは別だという点です。

例えば、敷地内に30台分の駐車場があっても、すべて契約中であれば、新たな購入者がすぐに利用できるとは限りません。

また、販売図面を作成した時点では空き区画があっても、購入を検討している間に別の居住者が契約する可能性があります。

そのため、「駐車場あり」という記載だけではなく、現在の空き状況と利用条件を確認する必要があります。

■売主が使っている駐車場は引き継げる?

中古マンションの購入で特に誤解されやすいのが、売主が使用している駐車場の取扱いです。

例えば、売主が敷地内の平置き駐車場を長年利用しているとします。

買主も車を所有しているため、売主が退去した後は、その区画を利用できると考えるかもしれません。

しかし、一般的な分譲マンションでは、住戸の所有権と駐車場の使用契約は別に扱われています。

国土交通省が公表している令和7年改正マンション標準管理規約の第15条では、管理組合が区分所有者と駐車場使用契約を結ぶ仕組みが示されています。

また、区分所有者が住戸を譲渡または貸与した場合、駐車場使用契約は効力を失うという規定があります。

つまり、この標準管理規約と同様の規定を採用しているマンションでは、売主の駐車場使用契約が買主に自動的に引き継がれるわけではありません。

ただし、マンションによっては独自の規約や使用権の設定があります。

そのため、実際の取扱いは購入予定のマンションの管理規約と契約内容で確認することが重要です。

■管理規約と駐車場使用細則を確認する

マンションの駐車場について調べる場合、まず確認したい資料は次のとおりです。

・管理規約
・駐車場使用細則
・駐車場使用契約書の様式
・駐車場の配置図
・現在の空き区画に関する資料
・車両制限に関する資料

管理規約は、マンション全体の管理や利用に関する基本的なルールです。

駐車場使用細則には、駐車場を利用できる人の条件、申込方法、抽選、使用料、使用上の注意事項などが定められている場合があります。

例えば、駐車場を利用できる人を区分所有者や居住者に限定しているマンションもあります。

また、1住戸につき1台を優先する仕組みや、空き区画がある場合に限って2台目の利用を認める仕組みも考えられます。

駐車場の利用希望者が多いマンションでは、抽選や順番待ちによって契約者を決めることもあります。

こうした条件はマンションごとに異なるため、販売図面だけで判断しないことが大切です。

■駐車場に空きがあっても契約できるとは限らない

不動産会社から「現在、駐車場には空きがあります」と説明された場合でも、そのまま契約できるとは限りません。

確認したいのは、空き区画があるという事実だけではなく、その区画を誰が、どのような手続きで利用できるのかという点です。

例えば、空き区画が1台分あり、すでに複数の居住者が利用を希望している場合です。

管理規約や細則によっては、抽選によって契約者を決めることがあります。

また、空き待ちの順番が決まっているマンションであれば、新しい購入者がすぐに申し込んでも利用できない可能性があります。

確認する際には、次の事項を整理します。

・空き区画は何台分あるか
・空き状況を確認した日はいつか
・現在、空き待ちの人がいるか
・新規購入者の申込順位はどうなるか
・抽選や定期的な区画入替えがあるか
・購入前に使用申込みや区画の確保ができるか

特に、毎日の通勤や仕事で車を使用する場合には、駐車場の利用開始時期も重要になります。

「空きがあります」という口頭説明だけでなく、管理会社や管理組合への確認結果を不動産会社から案内してもらうと、状況を整理しやすくなります。

■機械式駐車場では車のサイズも重要

マンションの駐車場には、主に平置き式と機械式があります。

平置き式は、地面に設けられた区画へ直接駐車する方式です。

一方、機械式駐車場は、車をパレットと呼ばれる台などに載せ、機械で上下や左右に移動させて収容する方式です。

機械式駐車場では、使用できる車両に制限が設けられているのが一般的です。

主に確認したい項目は次のとおりです。

・車両の全長
・車両の全幅
・車両の全高
・車両重量
・最低地上高
・タイヤ幅などの条件

例えば、背の高いSUVやミニバンを所有している場合、車高制限によって利用できない区画があります。

また、車高だけが条件を満たしていても、車幅や重量などが制限を超えている場合には利用できません。

機械式駐車場では、同じ設備でも上段と下段で利用条件が異なる場合があります。

そのため、マンション全体の駐車場仕様だけではなく、実際に使用する予定の区画について確認する必要があります。

なお、車両の寸法が基準内であっても、車種や装備、機械の仕様によって利用可否の確認が必要になることがあります。

■「駐車場付きマンション」という表示にも注意

販売図面に「駐車場付き」と記載されている場合は、その意味を確認することが大切です。

例えば、駐車場を使用する権利が特定の住戸に設定されている場合もあれば、住戸とは別に駐車場使用契約を結ぶ場合もあります。

また、マンションによっては、駐車場が独立した専有部分として扱われるなど、権利関係が異なるケースもあります。

そのため、「駐車場付き」という表示だけで、駐車場を所有できるのか、使用する権利があるのか、別途契約が必要なのかを判断することはできません。

確認したいのは、次のような事項です。

・駐車場は所有権の対象か、使用契約の対象か
・住戸の売買に伴って使用権を引き継げるか
・別途、管理組合との契約が必要か
・使用料や契約条件はどうなっているか

重要事項説明書や管理規約に記載された内容をもとに、今回の売買で取得する権利の範囲を確認しましょう。

■駐車場の契約時期と使用料も確認する

駐車場を利用できる見込みがある場合には、実際の契約手続きについても確認します。

例えば、住戸の引渡しを受けた当日から駐車場を利用したい場合です。

管理組合への申込みや契約が必要であれば、その手続きがいつから可能なのかを確認しておく必要があります。

また、駐車場使用料のほかに、契約時の費用やリモコンなどの貸与に関する取扱いが定められていることもあります。

機械式駐車場では、点検や修繕工事によって一時的に使用できなくなる場合もあります。

駐車場の利用条件を確認するときは、月額使用料だけではなく、契約開始時期や設備の運用条件にも目を向けておきたいところです。

■具体例:空き区画があっても車が入らない場合

ここでは、説明のための架空の事例を考えます。

ある買主が、敷地内駐車場のある中古マンションの購入を検討しています。

現在所有している車は、車高約175センチメートルのSUVです。

不動産会社からは、「駐車場には1台分の空きがあります」と説明されました。

ところが、管理会社へ確認したところ、その空き区画は機械式駐車場の下段で、車高制限が155センチメートルでした。

この場合、駐車場に空きがあっても、現在所有している車を利用することはできません。

買主は、別の区画に空きがあるか、今後の空き予定があるか、近隣の月極駐車場を利用できるかなどを確認することになります。

一方、別のマンションでは、平置き駐車場に空きがあっても、すでに空き待ちの居住者がいる場合があります。

この場合は、車のサイズに問題がなくても、使用契約を結べるとは限りません。

このように、駐車場については「空き状況」と「利用条件」を分けて確認することが重要です。

■売買契約前に確認しておきたいこと

駐車場の利用が住宅購入の重要な条件になっている場合は、売買契約を締結する前に利用の見通しを整理しておきたいところです。

例えば、車を使わなければ通勤が難しい場合や、業務上、毎日車を使用する場合です。

そのような事情がある場合には、駐車場が利用できないことで購入後の生活に影響する可能性があります。

契約前には、不動産会社へ確認した結果を踏まえて、次の点を整理します。

・購入後に駐車場を使用できることが確認されているか
・実際に使用できる区画は決まっているか
・契約の申込みや承認が必要か
・使用開始日が決まっているか
・まだ確定していない条件は何か

駐車場の使用が確定していない場合には、どのような条件が整えば利用できるのかを確認します。

さらに、駐車場の利用が購入判断に大きく関係する場合は、不動産会社と売買契約上の取扱いについても相談することが考えられます。

ただし、売主が管理組合に代わって駐車場の使用を保証できるとは限りません。

誰がどの範囲まで確認できるのかを区別することが大切です。

■不動産会社へ確認するときの質問例

中古マンションの駐車場について不明点がある場合は、次のように質問すると具体的な確認につながります。

・販売図面に「駐車場あり」と記載されていますが、現在利用できる空き区画はありますか?

・現在の空き状況は、いつ管理会社へ確認した情報ですか?

・売主が使用している駐車場は、住戸の売却後に買主が引き継げますか?それとも新たな申込みが必要ですか?

・空き区画の利用希望者が複数いる場合、抽選や順番待ちになりますか?

・駐車場の使用契約は、購入前に申し込むことができますか?

・機械式駐車場の場合、空き区画の全長、全幅、全高、重量などの制限を教えてください。

・現在所有している車が利用できるか、管理会社へ確認してもらえますか?

・駐車場使用料以外に必要な費用はありますか?

・住戸の引渡し日から駐車場を使用することはできますか?

・駐車場の利用について、管理規約や使用細則に独自の条件はありますか?

・現在の駐車場利用状況について、管理会社から書面などで確認できる資料はありますか?

このように、利用可能な区画、契約方法、車両制限、使用開始日を具体的に確認すると、購入後の生活をより現実的に考えられます。

■まとめ:駐車場は住戸とは別に確認する

中古マンションを購入する際、販売図面に駐車場があると記載されていても、購入者が必ず使用できるとは限りません。

売主が使用している区画を引き継げない場合や、空き区画があっても抽選が必要な場合があります。

また、機械式駐車場では車両のサイズによって利用できる区画が限られることもあります。

購入前には、管理規約や駐車場使用細則を確認し、空き状況、申込方法、車両制限、利用開始時期を整理することが大切です。

特に、日常生活で車が欠かせない場合には、駐車場の利用がどこまで確定しているのかを確認し、未確認の事項があれば契約前に不動産会社へ質問しておきましょう。

■契約前の資料を確認したい方へ

中古マンションの重要事項説明書や売買契約書について、駐車場の利用条件や管理規約の確認ポイントが分からない場合には、不動産取引実務の観点から資料を確認し、不動産会社へ質問したい事項を整理するサービスをご用意しています。

契約の可否を最終判断するものではありませんが、契約前の確認事項を整理したい方はご参照ください。

サービス数100万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す