売買契約書の「特約事項」は要注意?契約前に確認したいポイントを宅建士が解説

売買契約書の「特約事項」は要注意?契約前に確認したいポイントを宅建士が解説

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コラム
不動産を購入するとき、売買契約書にはさまざまな条件が記載されています。

その中でも、特に丁寧に確認しておきたいのが「特約事項」です。

特約事項には、その物件や今回の取引に固有の条件が記載されることがあります。

「契約書の最後に書いてある補足事項だから、それほど重要ではないのでは?」

と思われるかもしれませんが、実際には逆です。

売主と買主の責任範囲、住宅ローン、建物や設備の状態、境界、引渡し条件など、購入後にも影響する重要な内容が記載されていることがあります。

今回は、不動産売買の実務経験をもとに、売買契約書の特約事項を確認するときに見ておきたいポイントを整理します。

■そもそも「特約事項」とは?

不動産の売買契約書には、売買代金、手付金、引渡し、所有権移転、契約解除など、基本となる契約条件が記載されています。

しかし、不動産は一つとして同じものがありません。

建物の状態、土地の形状、境界、設備、売主・買主の事情などによって、個別に取り決めておかなければならないことがあります。

こうした個別の条件を追加するために使われるのが特約事項です。

そのため、契約書を見るときには、

「一般的な契約ではどうなっているか」

だけではなく、

「今回の契約では何が特別に定められているのか」

を確認することが重要です。

■1.契約不適合責任に関する特約

中古住宅の売買では、契約不適合責任について特約が設けられていることがあります。

契約不適合責任とは、引き渡された不動産が契約で約束された内容と異なっていた場合の売主の責任に関するルールです。

例えば、

・売主が責任を負う期間
・対象となる建物部分
・対象となる設備
・売主が責任を負わない事項
・買主が現状を確認したうえで購入する条件

などが記載されることがあります。

「現況有姿」
「売主は契約不適合責任を負わない」

などの文言がある場合もあります。

ただし、その一文だけで判断するのではなく、売主が個人なのか宅建業者なのか、どの部分についてどのような条件が設定されているのかまで確認する必要があります。

■2.住宅ローンに関する特約

住宅ローンを利用して購入する場合は、ローン特約も重要です。

ローン特約とは、予定していた住宅ローンが利用できなかった場合に、一定の条件のもとで契約を解除できるようにするための取り決めです。

確認したいのは、

・融資を申し込む金融機関
・借入予定額
・融資承認期限
・契約解除期限
・融資が受けられなかった場合の手続き

などです。

特に注意したいのが「期限」です。

「ローン特約が付いているから、ローンが通らなければいつでも解除できる」

とは限りません。

どの条件で、いつまでに手続きする必要があるのかを確認しておきましょう。

■3.境界や越境に関する特約

戸建てや土地の売買では、境界や越境について特約が設けられることがあります。

例えば、

・塀
・フェンス
・屋根や庇
・樹木
・給排水管
・擁壁

などが敷地境界を越えている場合です。

重要なのは「越境があります」という事実だけではありません。

・誰の所有物なのか
・現在どのような取り決めになっているのか
・将来撤去する予定があるのか
・建替え時にはどうするのか
・覚書などが交わされているのか

なども確認したいところです。

■4.設備や残置物に関する特約

中古住宅では、建物だけでなく設備についての確認も必要です。

例えば、

・エアコン
・給湯器
・照明器具
・食器棚
・物置
・カーテン
・家具

などです。

これらが売買対象となる「設備」なのか、単にそのまま残される「残置物」なのかによって扱いが変わる場合があります。

売買契約書だけではなく、付帯設備表などもあわせて確認し、

「何が引き渡されるのか」
「故障していた場合はどうなるのか」

を整理しておくことが大切です。

■5.建物の状態に関する特約

中古住宅の場合は、建物の状態について特約が記載されることがあります。

例えば、

・雨漏り
・シロアリ
・給排水管
・設備の故障
・増改築
・経年劣化
・過去の修繕

などです。

売主から物件状況報告書が交付されている場合は、そちらの内容とも照らし合わせて確認します。

売買契約書では問題がないように見えても、物件状況報告書には具体的な不具合が記載されている場合もあります。

一つの資料だけを見るのではなく、関連資料をまとめて確認することが大切です。

■6.引渡し条件に関する特約

不動産売買では、引渡しについても物件ごとに条件が異なります。

例えば、

・売主の買替え後に引き渡す
・建物を解体してから引き渡す
・残置物を撤去してから引き渡す
・測量完了後に引き渡す
・現在の入居者が退去してから引き渡す

といった条件です。

このような場合には、

「いつまでに」
「誰が」
「何をするのか」

を具体的に確認します。

また、予定どおり実行できなかった場合にどうなるのかも確認しておくと安心です。

■7.周辺環境や告知事項に関する特約

不動産は、土地や建物だけを購入するものではありません。

実際に生活するうえでは周辺環境も重要です。

例えば、

・道路や鉄道の騒音
・工場や店舗
・臭気
・ゴミ置場
・近隣施設
・将来の建築計画

などについて説明や特約が設けられる場合があります。

生活にどの程度影響するかは人によって感じ方が違います。

そのため、記載がある場合には、

「どのような状況なのか」

を不動産会社へ具体的に確認しておくことをおすすめします。

■分からない特約は、そのままにしない

特約事項で最も避けたいのは、

「難しくてよく分からないけれど、一般的な内容だろう」

とそのまま契約してしまうことです。

分からない内容があれば、不動産会社へ、

・この特約は具体的にどういう意味ですか?
・買主にはどのような影響がありますか?
・通常の契約条件と何が違いますか?
・どのようなケースを想定した特約ですか?
・この条件が適用されるのはどのような場合ですか?

などと確認してみてください。

重要なのは専門用語を覚えることではありません。

自分が購入する物件について、どのような条件で契約するのかを理解することです。

■特約事項だけを単独で確認しない

売買契約書を確認するときは、特約事項だけを見るのではなく、

・重要事項説明書
・登記事項証明書
・販売図面
・物件状況報告書
・付帯設備表
・管理規約
・測量図

などの関連資料とも照らし合わせます。

例えば、

重要事項説明書には「越境あり」と記載され、
特約事項には「将来建替え時に撤去する」と書かれている、

といったように、複数の資料を読むことで全体像が見えてくることがあります。

■契約前に確認しておきたい方へ

不動産の売買契約書や特約事項は、物件ごとに内容が異なります。

「この特約はどういう意味なのか」
「不動産会社に何を確認すればよいのか」
「契約前に第三者の視点でも確認しておきたい」

という場合は、重要事項説明書や売買契約書などの資料を確認し、不動産取引実務の観点から確認ポイントを整理するサービスもココナラで提供しています。

法律的な判断や購入の可否を決めるサービスではありません。

・注意して確認したい箇所
・分かりにくい記載内容
・追加で確認した方がよい事項
・不動産会社へ質問しておきたい事項

などを整理し、契約前の判断材料としてお伝えします。

不動産は大きな買い物です。

分からない特約を「こういうものだろう」と済ませず、自分が納得できるまで確認してから契約へ進むことが大切です。

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