中古マンションの修繕積立金は月額だけ見ればいい?長期修繕計画と値上げ予定の確認ポイント

中古マンションの修繕積立金は月額だけ見ればいい?長期修繕計画と値上げ予定の確認ポイント

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コラム
中古マンションを探していると、販売図面に「管理費」「修繕積立金」という毎月の負担額が記載されています。

住宅ローンの返済額と合わせて考えるため、

「修繕積立金は安い方がいいのでは?」
「月1万円くらいなら普通?」
「高いマンションは避けた方がいい?」

と考える方もいるかもしれません。

しかし、中古マンションの修繕積立金を見るときは、現在の月額だけを比較しても十分とはいえません。

今いくら積み立てられているのか。
今後どのような修繕を予定しているのか。
修繕積立金の値上げ予定はあるのか。
過去の大規模修繕はどのように実施されてきたのか。

こうした情報をあわせて見ることで、マンションの維持管理についてより具体的に考えられるようになります。

今回は、中古マンションを購入するときに確認したい修繕積立金と長期修繕計画について、不動産取引実務の視点から整理します。

■管理費と修繕積立金は目的が違う

マンションでは一般的に、毎月「管理費」と「修繕積立金」を支払います。

似ているように見えますが、役割は異なります。

管理費は、

・共用部分の清掃
・管理員業務
・共用部分の電気代
・設備の保守点検
・管理会社への委託費

など、日常的なマンション管理に使われる費用です。

一方、修繕積立金は、

・外壁の補修
・屋上やバルコニー等の防水
・鉄部の塗装
・給排水設備
・エレベーター
・共用部分の設備更新

など、将来の比較的大きな修繕に備えて積み立てていくお金です。

実際の使用内容はマンションの管理規約や長期修繕計画などによって異なります。

購入時には「管理費と修繕積立金を合わせて毎月いくらかかるか」だけでなく、それぞれ何のための費用なのかを分けて考えることが大切です。

■修繕積立金が安ければ良いとは限らない

例えば、同じような広さの中古マンションが2件あったとします。

Aマンション
修繕積立金 月8,000円

Bマンション
修繕積立金 月18,000円

毎月の負担だけを見ると、Aマンションの方が魅力的に感じるかもしれません。

しかし、これだけでは判断材料として十分ではありません。

Aマンションでは、数年後に大規模修繕を予定しており、修繕積立金の増額が検討されているかもしれません。

一方、Bマンションでは、すでに大規模修繕を終えており、将来必要となる工事を見込みながら現在の積立額を設定している可能性もあります。

つまり、

「現在いくら払うか」

だけでなく、

「なぜその金額なのか」

を見る必要があります。

■長期修繕計画は何を見る資料?

そこで確認したいのが「長期修繕計画」です。

長期修繕計画には、マンションの共用部分について、将来どの時期にどのような修繕を行う予定なのか、その工事にどの程度の費用を見込んでいるのかなどが記載されています。

例えば、

・外壁補修
・屋上防水
・鉄部塗装
・給排水設備更新
・エレベーター設備
・機械式駐車場
・共用照明や電気設備

などです。

ただし、長期修繕計画に記載された工事時期や金額が、そのまま確定しているとは限りません。

実際の建物状態、工事費、管理組合での検討などによって見直されることがあります。

そのため、

「計画があるか」

だけではなく、

「いつ作成・見直しされた計画なのか」

という点も確認したいところです。

■現在の積立残高も確認する

毎月の修繕積立金とあわせて確認したいのが、管理組合に現在どの程度の修繕積立金があるのかという点です。

例えば、大規模修繕工事を終えた直後であれば、一時的に残高が減っていることもあります。

逆に、これから大きな工事を予定しているマンションであれば、現在の積立残高と今後の工事予定をあわせて見たいところです。

残高が多い、少ないという数字だけで判断するのではなく、

・直近で大規模修繕を行ったのか
・次の大きな工事はいつなのか
・予定工事費はいくらなのか
・現在の積立額でどのように準備する計画なのか

という流れで確認すると分かりやすくなります。

■修繕積立金の値上げ予定も確認する

修繕積立金は、購入時の金額が将来もずっと変わらないとは限りません。

マンションによっては、一定期間ごとに金額を上げていく計画になっている場合があります。

例えば現在、

月10,000円

だったとしても、長期修繕計画上では、

数年後に月13,000円
さらに数年後に月16,000円

といった計画になっているケースも考えられます。

購入後の家計を考えるのであれば、現在の負担額だけでなく、将来予定されている金額も確認しておきたいところです。

また、予定されている増額がすでに管理組合で決定されているのか、まだ検討段階なのかも区別して確認します。

■過去の大規模修繕も見ておきたい

将来の計画だけでなく、これまでどのように修繕されてきたかも参考になります。

例えば築25年のマンションであれば、

・大規模修繕をいつ実施したのか
・どのような工事を行ったのか
・予定どおり実施されたのか
・長期修繕計画が見直されているのか

などを確認します。

建築年だけを見て、

「築年数が古いから管理状態も悪い」

と考えることはできません。

反対に、比較的新しいマンションだから修繕について考えなくてよいとも限りません。

中古マンションでは築年数とあわせて、これまでどのように建物を維持管理してきたのかを見ることが重要です。

■一時金や借入れの予定にも目を向ける

大規模修繕に必要な資金が不足する場合、修繕積立金の増額だけではなく、一時金の徴収や管理組合による借入れなどが検討されることもあります。

そのため、購入を検討しているマンションについて、

・修繕積立金の増額予定
・一時金徴収の予定
・管理組合の借入れ
・今後予定されている大規模工事

などが分かる資料があれば確認しておきます。

重要なのは、一時金や値上げがあるから直ちに良い、悪いと判断することではありません。

「今後どのような修繕が必要で、その費用をどのように準備する計画なのか」

を把握することです。

■総会議事録も判断材料になる

中古マンションの管理状況を確認するとき、長期修繕計画だけでなく管理組合の総会議事録が参考になる場合があります。

例えば、

・修繕積立金の値上げ
・大規模修繕工事
・設備更新
・管理会社の変更
・駐車場設備
・漏水などの建物トラブル

について議題になっていることがあります。

長期修繕計画には将来の予定が記載されていますが、総会議事録には現在管理組合で何が話し合われているのかが表れることがあります。

中古マンションでは、数字だけでなく管理組合がどのような課題を抱えているのかも、確認材料の一つになります。

■よくある勘違い「修繕積立金を払えば室内も直してもらえる?」

修繕積立金は、一般的にはマンションの共用部分などの計画修繕に使用されます。

自分の部屋の壁紙、給湯器、キッチン、浴室など、専有部分の修理やリフォーム費用まで修繕積立金から支払われるとは限りません。

マンションでは、

・共用部分
・専有部分
・専用使用部分

などによって管理や修繕の扱いが異なることがあります。

特に窓、玄関ドア、バルコニー、配管などは、一般の方には区分が分かりにくい部分です。

リフォームを考えている場合は、管理規約や使用細則もあわせて確認するとよいでしょう。

■不動産会社へ確認するときの質問例

修繕積立金について確認したい場合は、単に、

「この金額で足りますか?」

と聞くよりも、具体的に質問した方が情報を整理しやすくなります。

例えば、

・現在の修繕積立金はいくらですか?
・今後、修繕積立金の値上げ予定はありますか?
・値上げは決定済みですか、それとも検討中ですか?
・長期修繕計画はいつ作成、または見直しされていますか?
・次の大規模修繕はいつ頃の予定ですか?
・前回の大規模修繕はいつ実施しましたか?
・一時金を徴収する予定はありますか?
・管理組合に借入れはありますか?
・対象住戸に管理費や修繕積立金の未納はありませんか?
・最近の総会で大規模修繕や修繕積立金について議題になったことはありますか?

といった聞き方です。

「修繕積立金はいくらか」から一歩進んで、「将来どのような計画になっているのか」を確認することがポイントです。

■まとめ

中古マンションの修繕積立金を見るときは、現在の月額だけで判断しないことが大切です。

確認したいのは、

・現在の修繕積立金
・修繕積立金の残高
・長期修繕計画
・計画の作成、見直し時期
・過去の大規模修繕履歴
・今後予定されている工事
・修繕積立金の増額予定
・一時金や借入れの有無
・総会で検討されている内容

などです。

月額が安いから有利、高いから不利と単純に考えるのではなく、そのマンションが将来の修繕にどのように備えているのかを見ることが重要です。

中古マンションの契約前には、重要事項説明書だけでなく、管理関係の資料にも多くの情報があります。

「自分の契約ではどうなっているのか分からない」
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法律判断や契約の法的有効性を判断するサービスではなく、購入の可否を最終判断するものでもありません。

資料に記載されている内容を整理し、追加で確認したい事項や、不動産会社へ質問しておきたい内容を実務目線で整理しています。

中古マンションでは、販売価格や室内の状態だけでなく、「建物全体を今後どのように維持していく計画なのか」も確認しておきたいポイントの一つです。

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