創業計画書の「売上の見込み」は、どう書くか

創業計画書の「売上の見込み」は、どう書くか

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ビジネス・マーケティング
創業計画書でいちばん手が止まるのは、売上の欄です。

日本政策金融公庫の創業計画書は8つの項目でできていて、その8番目が「事業の見通し(月平均)」。創業当初と、軌道に乗った後の2つの時点について、売上高・売上原価・経費・利益を書きます。

数字そのものは、埋めようと思えば埋まります。問題は、その数字をどうやって出したかを聞かれることです。

■ 「がんばります」は根拠になりません

面談でよく起きるやりとりがあります。

「月商250万円と書かれていますが、この数字はどう計算されましたか」
「同じくらいのお店がそのくらいなので、自分もいけると思っています」

これで終わってしまうと、数字を置いただけと見なされます。

審査する側は、その金額が達成できるかどうかを判断したいわけではありません。この人は自分の事業の仕組みを分かっているか、を見ています。だから、数え方さえ説明できれば、金額が控えめでも問題になりません。

■ 業種ごとに、数え方は決まっています

売上は「掛け算の式」で書きます。業種によって、掛ける要素が違うだけです。

◆ 飲食店

席数 × 満席率 × 回転数 × 客単価 × 営業日数

20席、満席率70%、ランチ2回転・ディナー1回転、客単価はランチ1,000円・ディナー3,000円、月25日営業。この前提を書けば、金額は自動的に決まります。

昼と夜で客単価も回転数も違うので、分けて計算してください。まとめてしまうと、面談で必ず分解を求められます。

◆ 美容室・サロン

セット面数 × 1日の施術可能数 × 稼働率 × 客単価 × 営業日数

施術1回にかかる時間から、1日に何人まで対応できるかが決まります。そこに稼働率をかけるのが基本です。

◆ 小売

客数 × 客単価 × 営業日数

客数の根拠が要ります。店前の通行量、既存顧客の数、ネット販売なら想定アクセス数と購入率。

◆ ジム・スクールなど会員制

会員数 × 月会費

ここは退会率を入れてください。毎月20人入会しても、10人辞めれば純増は10人です。入会数だけで計算した計画は、たいてい2年目で崩れます。

◆ 士業・BtoBの受託

顧問件数 × 月額 + スポット案件数 × 単価

継続とスポットを分けて書きます。継続の比率が高いほど、返済の見通しが立ちやすいと見られます。

■ 数字より、前提を書く

書くべきなのは、金額ではなく前提です。

・席数、営業日数、営業時間
・客単価をいくらに置いたか、なぜその金額か
・回転数や稼働率をどう見積もったか
・その根拠(近隣の同業を数えた、前職での実績、仕入先からの情報)

この前提が書いてあれば、面談で説明が要らなくなります。逆に金額だけ書いてあると、面談の時間がまるごと「その数字は何ですか」に使われます。

■ 創業当初と、軌道に乗った後

2つの時点を書く欄がありますが、ここで差をつけすぎる方が多いです。

創業当初が月商100万円で、軌道に乗った後が500万円。5倍になる理由が書かれていないと、後ろの数字は無視されます。

・何ヶ月目から、どのくらい増えるのか
・増える理由は何か(認知が広がる、リピートが積み上がる、席数を増やす)
・そのために何をするのか

差が大きいほど、間の説明が必要になります。

■ 控えめでいいのか

よく聞かれますが、控えめでいいです。

大きく書いたほうが借りやすいと思われがちですが、逆です。金額が大きいほど、根拠を細かく求められます。そして、その計画で返済できることも示さなければなりません。

現実的な数字で、返済が回ることを示す。これがいちばん通りやすい形です。

■ 今日できること

紙に、自分の事業の掛け算の式を書いてみてください。

飲食なら「席数 × 満席率 × 回転数 × 客単価 × 営業日数」。それぞれに数字を入れて、出てきた金額を見る。

その金額が、いま書こうとしている数字と大きく違うなら、どちらかの前提が現実的ではありません。

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