創業融資の情報は、借りるまでの話がほとんどです。書類の書き方、面談の受け答え、自己資金の見せ方。
ですが実際には、借りた後のほうが長く続きます。そして次の一本を借りられるかどうかは、返済がはじまった日から決まっていきます。
■ 借りた後、金融機関は何を見ているか
◆ 返済が遅れていないか
当然ですが、いちばん重い項目です。1日でも遅れると記録に残り、次の申し込みで必ず影響します。
資金が厳しくなりそうなときは、遅れてから連絡するのではなく、遅れる前に相談してください。順番が違うだけで、扱いがまったく変わります。
◆ 計画と実績がどれくらいずれているか
提出した計画どおりにいく事業のほうが少ないので、ずれること自体は問題になりません。
見られているのは、ずれた理由を本人が説明できるかどうかです。
「思ったより売れませんでした」で止まると、経営を把握していないと見なされます。「客数は計画どおりだが客単価が想定を下回った。理由はこれで、こう手を打った」まで言えると、評価はむしろ上がります。
◆ 通帳の動きが安定しているか
融資した資金が、申告した使いみちに使われているか。残高が極端に上下していないか。売上の入金が計画と同じ時期に来ているか。
数字より前に、通帳を見られていると思っておいてください。
■ 何を持っていくか
年に1〜2回でいいので、こちらから資料を持って行く形を作ると強いです。
・試算表(月次の損益がわかるもの)
・資金繰り表(これから半年ぶんの入出金予定)
・簡単な近況メモ(1枚。良かったこと、うまくいかなかったこと、次の手)
このうち、最も効くのは資金繰り表です。過去の数字は誰でも出せますが、これから半年の現金の動きを説明できる創業者は多くありません。
■ 話す内容の組み立て方
短くていいので、この順番で話すと伝わります。
1. 前回お会いしてからの実績(売上・客数・利益)
2. 計画とのずれと、その理由
3. その理由に対して打った手
4. これから半年の見通し
5. 資金の予定(増設・採用・仕入れの増加など)
5番が特に重要です。「そろそろ2店舗目を考えています」と早めに言っておくと、実際に申し込むときに一から説明しなくて済みます。
■ やってはいけないこと
◆ 業績が悪いときに顔を出さなくなる
いちばんよくある失敗です。順調なときだけ報告し、苦しくなると連絡が止まる。
金融機関から見ると、連絡が来なくなること自体が悪い兆候です。苦しいときこそ先に行ったほうが、結果として選択肢が残ります。
◆ 資金の使いみちを勝手に変える
設備資金として借りたお金を運転資金に回す、といった使い方は契約違反になり得ます。使いみちを変える必要が出たら、必ず先に相談してください。
◆ 決算書を渡すだけで終わりにする
税理士から金融機関に決算書が送られて終わり、という会社は多いです。それだけだと、数字は伝わっても事情が伝わりません。数字が悪い年ほど、本人の説明が必要になります。
■ 今日できること
直近3ヶ月の通帳を開いて、入金と出金の大きいものを眺めてみてください。その動きを人に説明できるなら、次の融資の準備はもう半分できています。
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※ 融資の可否を保証するものではありません。個別の状況によって答えが変わる部分が多いため、気になる点があればメッセージでお尋ねください。