「公庫と保証協会、どっちがいいんでしょうか」
創業融資を調べ始めると、必ずこの2つの名前が出てきます。そして、違いがよく分からないまま迷っている方が多いです。
■ そもそも、仕組みが違います
日本政策金融公庫は、政府系の金融機関です。公庫が自分で、直接お金を貸します。
一方、信用保証協会は、お金を貸す機関ではありません。貸すのは銀行や信用金庫です。保証協会は、その借入に保証をつける立場です。
万が一返せなくなったときに、保証協会が代わりに返す。だから銀行は、実績のない創業期の事業者にも貸せる。そういう仕組みです。
つまり「公庫か保証協会か」という比べ方は、正確には「公庫から借りるか、保証協会の保証をつけて銀行から借りるか」です。
■ 実務上、どこが違ってくるか
◆ 関わる相手の数
公庫は、公庫に申し込みます。相手は一つです。
保証協会つきの場合は、銀行と保証協会の両方が関わります。申込先は銀行ですが、審査は保証協会も行います。関わる相手が増えるぶん、時間がかかることがあります。
◆ 費用
保証協会つきの場合、金利のほかに信用保証料がかかります。金利だけを比べると見誤ります。
◆ 面談で会う相手
公庫は公庫の担当者と話します。保証協会つきは、まず銀行の担当者と話すことになります。
◆ その後に残るもの
保証協会つきで借りると、銀行との取引が始まります。これは融資そのものとは別の価値があります。口座、決済、そして次の借入。長い目で見ると、この関係は効いてきます。
■ 創業期は、どちらから当たるか
一般論として、まず公庫から、という順番になることが多いです。
理由は、公庫が創業期の支援を制度として持っているからです。実績のない事業者を前提にした窓口が用意されています。
ただしこれは「公庫のほうが優れている」という話ではありません。地域の信用金庫と早くから関係を作りたい、という理由で保証協会つきから入る選択もあります。
事業の性質、地域、開業後の資金需要。そのあたりで変わるので、どちらが正解と決まっているわけではありません。
■ 両方を使う選択肢もあります
必要な金額が大きい場合、公庫と保証協会つきを組み合わせることがあります。
一方に全額を求めるより、分けたほうが話が進みやすい場面があります。ただし、それぞれに同じ計画書を出すことになるので、数字がずれていると両方でつまずきます。
■ やってはいけないこと
思いついた先に、片っ端から同時に申し込むことです。
金融機関は、他行への申込状況を確認できる場合があります。あちこちに同時に出ている状態は、「どこかで断られているのでは」と受け取られやすくなります。
順番を決めて、一つずつ。急いでいるときほど、ここを守ってください。
■ 今日できること
自分の状況を、次の3つで整理してみてください。
・いくら必要か
・いつまでに必要か
・開業する地域に、付き合っておきたい金融機関があるか
3つ目まで考えている方は多くありません。ここまで整理できていれば、どちらから当たるかは自然に決まります。
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※ 融資の可否を保証するものではありません。制度の内容は変更されることがあるため、最新の要件は各機関の案内をご確認ください。個別の状況によって答えが変わる部分が多いため、気になる点があればメッセージでお尋ねください。