文献検索って何から始める?―医中誌Webで日本語の論文を探してみよう!
みなさん、こんにちは。
「現場の『なぜ?』を研究へ。」シリーズでは、日常の疑問を研究テーマに変えるまでのお話をしてきました。
今回からは、ちょっと趣向を変えて、「研究初心者のための文献検索」シリーズを始めたいと思います。
研究を始めると、必ずと言っていいほど登場するのが、
「まずは先行研究を調べてみましょう!」
という言葉。
でも、研究初心者だった頃の私は、
「先行研究って、どこで探すの?」
「Googleで検索すればいいの?」
「そもそも原著論文って何?」
というところからのスタートでした(笑)。
今回は、そんな当時の私でも分かるように、文献検索の基本をお話しします。
① まず、文献はどこで探すの?
看護・医療系の日本語論文を探すときに、ぜひ知っておきたいのが「医中誌Web(医学中央雑誌Web)」です。
これは、医学・看護学・介護などの分野で発表された国内の学術文献を探せるデータベースです。
簡単にいえば「研究論文を探すための専門的な検索サイト」です。
ただし、医中誌Webは基本的に有料のサービスです。
「えっ、有料なの? じゃあ使えないじゃない!」
と思った方、ご安心を。
実は、個人で契約しなくても利用できる場合があります。
例えば、大学や病院の図書館で医中誌Webを契約していれば、所属者が利用できることがあります。
また、一部の公共図書館でも利用できます。
東京都立中央図書館や千葉県立西部図書館などがその一例です。
ただし、利用方法や条件は施設によって異なるので、事前に確認してくださいね。
▶ 医中誌Webを利用できる公共図書館一覧
② キーワードを使って検索してみよう!
さて、医中誌Webが使えるようになったら、実際に検索してみましょう。
例えば、ある看護師さんが、
「認知症のある高齢者が入院すると、なぜ落ち着かなくなるんだろう?」
と疑問に思ったとします。
この文章をそのまま検索するのではなく、まずは重要な言葉を取り出します。
例えば、
「認知症」「入院」「不安」
といった言葉です。
最初は「認知症」と入力して検索してみましょう。
きっと、たくさんの文献が見つかると思います。
でも、知りたいのは認知症全般のことではありませんよね。
そこで、次のステップです。
③ 検索式を使ってみよう!
検索式と聞くと、なんだか難しそうですよね。
でも、基本は簡単です。
例えば、
認知症 AND 入院
と入力します。
この「AND」は、両方のキーワードに関連する文献を探すためのものです。
さらに、
認知症 AND 入院 AND 不安
とすれば、3つのキーワードを組み合わせた検索になります。
反対に、似た意味の言葉をまとめて探したい場合は「OR」を使います。
例えば、
(不安 OR 心配)AND 認知症
という検索式です。
これは、「不安」または「心配」に関する文献と、認知症に関する文献を組み合わせて探すイメージです。
覚えておきたいのは、
AND:条件を組み合わせて絞る
OR:似た言葉をまとめて広く探す
という違いです。
ただし、医中誌Webには関連する医学用語を自動的に検索する機能もあります。慣れてきたら、その仕組みも活用してみましょう。
④ 文献が多すぎる!どうやって絞るの?
検索すると、何百件、何千件という文献が出てくることがあります。
「こんなに読めないよ〜!」
と、私も最初は思いました(笑)。
そんなときは、検索結果を絞り込む機能を使います。
例えば、
発行年を絞る
→ まず最近5年間の研究を確認する。
原著論文に絞る
→ 実際に研究を行い、その方法や結果を報告している論文を探す。
看護分野に絞る
→ 看護に関連する文献を中心に探す。
会議録を除く
→ 学会抄録を除いて探す。
このように、研究目的に合わせて条件を選ぶと、必要な文献を見つけやすくなります。
ただし、古くても重要な研究がありますし、原著論文以外にも役立つ文献はあります。
最初から絞りすぎないことも大切です。
⑤ 見つけた文献は、全部読まなきゃいけない?
もちろん、そんなことはありません(笑)。
まずはタイトルを見て、自分の研究テーマに関係がありそうか確認します。
次に、抄録(研究内容を短くまとめた文章)を読んでみましょう。
ここで、
「自分の知りたいことに近そう!」
と思った文献について、本文を確認していきます。
ちなみに、医中誌Webで検索できることと、論文の本文を無料で読めることは別です。
無料公開されている論文もありますが、別途契約が必要なものもあります。
本文が見つからない場合は、図書館の所蔵や文献複写サービスを確認してみましょう。
最初から完璧に検索できなくても大丈夫!
研究初心者だった頃の私は、文献検索だけで何時間もかかっていました。
でも、少しずつ検索を繰り返すうちに、
「この言葉では見つからないな」
「別のキーワードにしてみよう」
「もう少し対象を絞ってみよう」
と考えられるようになりました。
文献検索は、一度で正解にたどり着くものではありません。
検索して、読んで、考えて、また検索する。
その繰り返しです。
まずは、自分が気になっているテーマについて、キーワードを2〜3個考えて検索してみてください。
きっと、これまで知らなかった研究との出会いがあると思います。
さて、次回は、
「英語の論文なんて無理!」と思っている方へ。
英文献を探すためのデータベース、PubMed(パブメド)についてお話ししたいと思います。
英語が得意でなくても大丈夫!
私も最初はそうでしたから(笑)。
それでは、また次回!