同僚の女の子から、新人の頃の話を聞きました。
勤務中、点滴の滴下数を合わせようとしたとき、時計を忘れてしまって困っていたそうです。
そのとき、普段はあまり口数の多くない同性の先輩看護師が、自分の時計をそっと耳もとに当ててくれたのだそうです。
その音を聞きながら、滴下数を合わせることができたと、うれしそうに話してくれました。
「こんな優しい人がいるんだと、キュンとしちゃいました。」
そう話す同僚の女の子の姿も、とても素敵でした。
そして、こんな話も聞かせてくれました。
夜勤中におなかが痛くなってしまい、薬を飲んで少し休んでいたことがあったそうです。
少し楽になって戻ると、自分が巡視するはずだった患者さんのことを、その同じ先輩が代わりに見てくれていて、記録まで書いておいてくれていたそうです。
そのことを思い出しながら、同僚はにこにこと、本当に優しい人だったと話してくれました。
私はその話を聞きながら、先輩のやさしさに心があたたかくなったのはもちろんですが、もうひとつ、ほっこりしたことがありました。
人のやさしさにちゃんと気づいて、それをうれしそうに話せるその同僚の女の子も、とても優しい子なのだなと思ったのです。
やさしさは、そっと差し出せることも素敵です。
そして、誰かのやさしさに気づいて、まっすぐ受け取れることも、同じくらい素敵なことなのだと思います。
優しさを渡せることも、優しさに気づけることも、どちらもとても素敵だなと思いました。