「お客様は神様」ではない。管理会社が撤退を決めるとき

「お客様は神様」ではない。管理会社が撤退を決めるとき

記事
ライフスタイル
マンションの管理会社について、

「対応が遅い」

「担当者が頼りない」

「管理委託費が高い」

そんな不満から、

「だったら管理会社を変えればいい」

という話になることがあります。

以前のブログでも、管理会社を変更したいと考えたときに、まず確認してほしいことをご紹介しました。

ただ、今回はその逆の話です。

管理会社から管理組合へ「次回の契約更新はしません」と言われることもあります。

管理組合からすれば、

「こちらがお金を払って管理を頼んでいるのに、管理会社の方から断るの?」

と思うかもしれません。

でも、管理組合が管理会社を選ぶように、管理会社側も契約を続けるかどうかを考えています。

マンション管理は、

「お客様なんだから、何でもやってもらえる」

という関係ではありません。

1.管理会社から「更新しません」と言われることがある


管理委託契約は、一度契約したら永久に続くものではありません。

契約期間があり、その後も契約を継続していくことになります。

当然、管理組合側が管理会社の変更を検討することもあります。

一方で管理会社側から、

「次回は契約を更新しません」

と申し入れられることもあります。

実際にそう言われてから、

「そんなことがあるの?」

と驚いても遅いのです。

2.理由は「クレームが多い」だけとは限らない


管理会社が撤退すると聞くと、

「よほど面倒な住民がいるマンションなのでは?」

と思うかもしれません。

もちろん、過度な要求や長時間のクレーム対応などが負担になるケースもあるでしょう。

しかし、それだけとは限りません。

管理委託費と業務量が見合っていない。

管理員や清掃員などの人材を確保できない。

担当者の業務負担が大きすぎる。

契約外の対応が常態化している。

会社として管理物件を見直している。

など、さまざまな事情が考えられます。

つまり、

「管理会社が撤退する=管理組合に問題がある」

と単純に決めつけることもできません。

3.「管理委託費を払っているんだから」は万能ではない


ここは意外と誤解されやすいところです。

管理会社へ管理委託費を払っている。

だから、

「マンションのことなら何でも管理会社がやるべきだ」

とは限りません。

管理会社が行う業務は、基本的には管理委託契約の内容に基づいています。

例えば、本来は管理組合や理事会が判断すべきことまで、

「管理会社で決めてくれ」

「全部そっちでやってくれ」

となれば、管理会社側の負担は大きくなります。

逆に、何かあるたびに、

「金を払っているんだから、それくらいやれ」

となってしまえば、良い関係を続けることも難しくなります。

4.管理会社と管理組合は「主従関係」ではない


管理組合は管理会社へお金を払っています。

しかし、

管理組合が上で、管理会社が下

という関係ではありません。

管理委託契約に基づいて業務を依頼する側と、業務を受託する側です。

もちろん管理会社には、契約した業務を適切に行うことが求められます。

対応に問題があれば、管理組合から改善を求めることも必要です。

一方で管理組合側にも、

契約内容を確認する。

必要なことは理事会や総会で判断する。

管理会社へ何を依頼しているのか整理する。

といったことが必要になります。

「お金を払っている側だから何を要求してもいい」

という話ではありません。

5.管理会社に撤退されると、困るのは管理組合


もし管理会社から契約終了を告げられたら、

「じゃあ別の管理会社を探せばいい」

と思うかもしれません。

もちろん最終的には、次の管理体制を整えることになります。

ただし、

次の管理会社を探す。

管理内容や管理委託費を比較する。

理事会で検討する。

必要な手続きを進める。

現在の管理会社から引継ぎを行う。

といった作業が発生します。

さらに、新しい管理会社へ声を掛けても、必ず引き受けてもらえるとは限りません。

前回のブログでは、修繕工事について、

「業者側も仕事を選ぶ」

という話をしました。

マンション管理も似ています。

管理組合が管理会社を選ぶだけではなく、

管理会社側からも「契約を続けられる管理組合か」を見られている。

そんな時代になってきているのだと思います。

「管理会社を変える」だけではなく「管理会社から変えられる」こともある

管理会社への不満があれば、改善を求めることは当然です。

必要であれば管理会社の変更を検討することもあります。

ただ、

「嫌ならいつでも別の管理会社に変えればいい」

という一方向だけで考えない方がよいでしょう。

管理会社との関係で確認したいのは、

①契約した業務はきちんと行われているか

②契約外の業務まで当然のように求めていないか

③管理組合自身が決めるべきことまで丸投げしていないか

④お互いに契約を継続できる関係になっているか

です。

管理会社は管理組合の「下請け」でも「何でも屋」でもありません。

そして管理組合も、管理会社の言うことを何でも受け入れる必要はありません。

お互いに契約内容を理解して、それぞれがやるべきことをやる。

結局、それが長く安定したマンション管理につながるのではないでしょうか。

もう少し具体的に知りたい方へ

この記事の内容をさらに具体的に掘り下げた**「実践編」も有料コンテンツで公開しています。**

実践編では、実際に管理会社から**「次回の契約は更新しません」**と言われた場合に、管理組合がまず何を確認し、どの順番で動けばよいのかを整理しています。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す