「とりあえず相見積りを3社」は本当に正解?今どき業者に辞退されることもある

「とりあえず相見積りを3社」は本当に正解?今どき業者に辞退されることもある

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マンションで修繕工事の話が出ると、よくこんな意見が出ます。

「1社だけじゃ高いか安いか分からない。相見積りを取りましょう」

これは別に間違った考え方ではありません。

複数の業者から見積りを取って比較することは、価格や工事内容を確認する方法の一つです。

ところが最近、実際に修繕工事の見積りを依頼していると、以前とは少し状況が変わってきたと感じます。

業者へ声を掛ければ、どこでも見積りを出してくれる。

3社で足りなければ5社に声を掛ければいい。

そんな感覚では、なかなか進まないことがあります。

実際、

「今回は見積りを辞退させてください」

と言われることも珍しくありません。

なぜでしょうか。

1.見積りを作るのも「仕事」


管理組合側からすると、

「ちょっと見積りを出してもらう」

という感覚になりがちです。

でも業者側は、見積書を1枚作って終わりではありません。

工事によっては、

現地を確認する。

施工範囲を確認する。

数量を拾う。

材料や工法を検討する。

協力会社へ金額を確認する。

社内で原価を積算する。

そして、ようやく見積書を作ります。

当然、そこには人と時間が使われています。

しかも、見積りを作ったからといって受注できるとは限りません。

見積りを出すこと自体にもコストが掛かっている。

まず、この点は知っておいてもよいと思います。

2.業者も仕事を選ぶ


少し前までは、

「発注者が業者を選ぶ」

という感覚が強かったかもしれません。

もちろん今でも、最終的にどの業者へ発注するかを決めるのは管理組合です。

ただ、その前提として、

業者にも「その見積りに参加するか」を選ぶ余地があります。

工事の規模。

工事時期。

現場までの距離。

施工条件。

現在抱えている仕事量。

見積りに掛かる手間。

受注できる可能性。

こうしたものを見て、

「今回は参加しません」

という判断をされることがあります。

ですから、

「3社から見積りを取りたいから3社に頼めば、3社分揃う」

とは限りません。

3.「何社取ったか」だけが大事なのではない


相見積りの話になると、

「最低3社」

「できれば5社」

など、会社数が話題になりがちです。

でも、本来確認したいのは、

何社から見積りを取ったか

だけではありません。

何を比較したいのか。

同じ工事内容になっているのか。

同じ条件で見積りを依頼しているのか。

価格差が何によって生じているのか。

こちらの方が重要です。

前回のブログでもご紹介しましたが、工事範囲や仕様が違う見積書を何枚集めても、単純な価格比較はできません。

「3社揃ったから適正価格」

とは限らないわけです。

4.何でも相見積りにすればいいわけでもない


もちろん、大きな修繕工事などでは複数の見積りを比較することが有効な場合があります。

一方で、小さな補修工事まで毎回、

「念のため3社」

「もう1社」

と見積りを依頼すれば、本当にそれが管理組合にとって効率的なのかという問題も出てきます。

見積りを取るにも時間が掛かります。

その間に修繕が遅れることもあります。

そして業者側にも見積り作成の負担があります。

相見積りを取ること自体が目的になってしまわないこと。

ここは意外と大切だと思います。

相見積りは「安心するための儀式」ではない

相見積りそのものが悪いわけではありません。

むしろ、工事内容や価格を比較するうえで有効な方法の一つです。

ただ、

「3社取ったから安心」

ではなく、

①なぜ相見積りを取るのか

②何を比較したいのか

③同じ条件で比較できているのか

④その工事で本当に複数社から取る必要があるのか

を考えてみてください。

そしてもう一つ。

今は管理組合が一方的に、

「仕事を出す側だから業者を選べる」

と考えられる時代でもなくなってきています。

管理組合が業者を選ぶ。

同時に、業者からも「仕事をしたい管理組合」として選ばれる。

そんな視点も、これからは少し必要になってくるのではないでしょうか。

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