「理事長が決めた」はどこまで有効?まず確認してほしいこと

「理事長が決めた」はどこまで有効?まず確認してほしいこと

記事
ライフスタイル
マンションで何か話が進んでいるとき、こんな言葉を聞くことがあります。

「これは理事長が決めました」

たとえば、

「この工事は理事長が決めたらしい」
「この業者に頼むことを理事長が決めた」
「理事長がOKと言ったから大丈夫」
「理事長がダメと言っているからできない」

こう聞くと、

「理事長って、そんなに何でも一人で決められるの?」

と疑問に思う方もいるかもしれません。

逆に、

「理事長は管理組合の代表なんだから、それくらい決められるでしょ」

と思う方もいるでしょう。

でも、ここで大切なのは、

「理事長が決めた」という言葉だけで判断しないことです。

まず確認したいのは、その話を誰が、どのような根拠で決めることになっているのかです。

1.理事長は「何でも一人で決める人」ではない


理事長は、一般的に管理組合を代表し、管理規約や総会・理事会の決定などに基づいて、さまざまな業務を行います。

そのため、マンションの中では非常に重要な役割です。

ただし、

「理事長=管理組合のことを何でも一人で決められる人」

というわけではありません。

マンション管理では、内容によって、

総会で決めること
理事会で決めること
すでに決められた内容に基づいて理事長が行うこと

などがあります。

実際にどこまで理事長が判断できるのかは、管理規約や過去の決議、予算・事業計画などによっても変わってきます。

ですから、

「理事長が決めたから問題ない」

あるいは反対に、

「理事長が一人で決めたからおかしい」

と、言葉だけで判断するのは少し早いのです。

2.「決めた」のか「実行した」のか


ここは意外と大切です。

たとえば総会で、

「今年度、この修繕工事を実施する」

という内容が承認されていたとします。

その後、理事会で具体的な内容を検討し、それに基づいて理事長が契約などの手続きを行った。

これを後から聞いた人には、

「理事長が工事を決めた」

ように見えることがあります。

でも実際には、

理事長が一人で工事の実施そのものを決めたのではなく、すでに決まっていたことを実行した

という場合もあります。

「理事長が決めた」と聞いたときは、

本当に理事長が判断したのか、それとも、すでに決まっていたことを理事長が実行したのか。

ここを分けて考えると、話がかなり整理しやすくなります。

3.まず「何を根拠にしているのか」を確認する


では、どうやって確認すればいいのでしょうか。

難しく考える必要はありません。

まず、

「これは何を根拠に決まったことなのですか?」

と確認してみてください。

確認する資料としては、たとえば、

管理規約・使用細則
総会議案書・総会議事録
理事会議事録
その年度の事業計画
収支予算書

などがあります。

総会ですでに承認されているのか。

理事会で審議・決定されているのか。

予算として承認されているのか。

管理規約上、どのような扱いになっているのか。

こうしたことを確認すると、

「なぜ理事長がその手続きをしているのか」

が見えてくることがあります。

4.「予算がある」だけでも判断しない


もう一つ注意したいのが、

「予算を取ってあるから大丈夫」

という説明です。

確かに、予算は重要な確認材料です。

ただ、

予算が計上されていることと、具体的な工事内容や契約条件などについて必要な手続きが済んでいることは、必ずしも同じではありません。

逆に、細かな日常業務まで、その都度すべて総会で決めなければならないわけでもありません。

だからこそ、

「いくらだから理事長判断でいい」

「予算にあるから何でもできる」

「金額が大きいから必ず総会」

といった一つの基準だけで考えるのではなく、その案件について何がすでに決まり、どこから先を誰が判断することになっているのかを確認することが大切です。

「理事長が決めた」で終わらせない


マンションでは、理事長が表に立つ場面が多いため、どうしても、

「理事長が決めた」

という言葉で話がまとめられがちです。

でも、本当に確認したいのは「理事長が言ったかどうか」ではありません。

まず、

① 何を決めたのか

② 誰が決めることになっているのか

③ 総会や理事会ですでに決まっていることではないか

④ 管理規約・決議・予算など、どこに根拠があるのか

この順番で整理してみてください。

理事長が勝手に決めたように見えても、実際には総会や理事会の決定を実行しているだけかもしれません。

反対に、「理事長が決めたから」という説明だけでは、必要な手続きや根拠が分からない場合もあります。

大切なのは、

「誰が言ったか」ではなく、「何を根拠に、どこまで決まっているのか」を確認すること。

これだけでも、管理組合の中で起きていることがずいぶん見えやすくなると思います。

この記事の内容をさらに具体的に掘り下げた**「実践編」**も有料コンテンツで公開しています。

「理事長が決めた」と言われたとき、管理規約・総会議事録・理事会議事録・予算書などをどの順番で確認すればよいのか、実際の確認方法を7つのポイントに分けて整理しています。

※本記事は、マンション管理について一般的な考え方や確認の視点をご紹介するものです。実際の権限や手続きは、それぞれの管理規約、総会・理事会の決議内容、個別の事情等によって異なります。個別案件についての法的判断を行うものではありません。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す