マンションの管理組合で、突然役員になった。
理事会に出てみると、管理会社から資料を渡され、修繕工事、管理費、修繕積立金、長期修繕計画……と、聞き慣れない言葉が次々に出てくる。
「何から見ればいいの?」
初めて役員になった方なら、そう思って当然だと思います。
全部を一度に理解する必要はありません。
私がマンション管理の実務に携わってきた経験からいうと、まずは5つの資料がどこにあるかを確認するところから始めれば十分です。
1.管理規約・使用細則
最初に確認したいのが、管理規約と使用細則です。
簡単にいえば、管理規約はそのマンションを運営するための基本的なルール。使用細則は、駐車場、駐輪場、ペット、共用施設など、より具体的な使い方を定めているものです。
役員になると、
「これは理事会で決めていいのか?」
「総会にかける必要があるのか?」
「この使い方は認められているのか?」
といった疑問が出てきます。
そんなとき、まず確認するのが管理規約や使用細則です。
ただし、最初から全部読んで覚える必要はありません。
「分からないことが出たら、まずここを見る」
という存在だと知っておくだけでもかなり違います。
2.管理委託契約書
管理会社へ管理を委託しているマンションなら、ぜひ一度見てほしい資料です。
管理会社に対する不満が出ると、
「管理会社なんだから、それくらいやってくれるはず」
という話になりがちです。
ところが、実際には管理会社へ何を委託しているのかは契約で決まっています。
事務管理業務、管理員業務、清掃業務、設備管理業務など、どこまで委託しているのか。
逆に、管理組合側で行うことは何なのか。
管理会社との付き合い方を考えるうえでも、**「そもそも何を頼んでいるのか」**を知っておくことは大切です。
3.直近の総会議案書・議事録
これはかなり重要です。
新しく役員になったからといって、それまでの管理組合の話がリセットされるわけではありません。
前期までに、
「どんな問題があったのか」
「何が決まったのか」
「何を継続して検討しているのか」
を知るには、直近の総会議案書と議事録を見るのが早いです。
余裕があれば過去数年分を見てもいいですが、まずは直近のものからで十分。
特に、前回総会で決まった内容が今期の事業や予算につながっていることもあります。
理事会で突然知らない話が出てきたときにも、過去の議事録をたどると経緯が分かることがあります。
4.収支予算書・決算書
「数字は苦手だから……」
と避けたくなる資料ですが、細かい会計処理まで理解する必要はありません。
最初は大きなところだけ見ます。
例えば、
管理費会計では、毎年どのくらい収入があり、何にお金を使っているのか。
修繕積立金会計では、現在どのくらい積み立てられているのか。
そして未収金など、気になる数字がないか。
これくらいからで構いません。
役員として何かを決めるとき、結局かなりの問題が**「いくらかかるのか」「そのお金はどこから出すのか」**につながってきます。
だから、マンションのお金の全体像だけでも知っておくと、理事会での話がかなり理解しやすくなります。
5.長期修繕計画
最後が長期修繕計画です。
これは、マンションで将来どんな修繕工事を予定し、どのくらいの費用が必要になるのかを長期的に整理した計画です。
大規模修繕だけを見るものではありません。
屋上防水、外壁、給排水設備、エレベーター、機械式駐車場など、マンションによってさまざまな工事が計画されています。
ここで最初に見てほしいのは、
「次に大きな工事がいつ予定されているか」
そして、
「そのとき修繕積立金が足りそうなのか」
という大きな流れです。
細かい数字を全部理解するのは、その後で構いません。
最初から全部理解しようとしなくていい
初めて役員になると、管理会社から渡される資料の量に圧倒されることがあります。
でも、役員になったその日からマンション管理の専門家になる必要はありません。
まず、
管理規約・使用細則
管理委託契約書
直近の総会議案書・議事録
予算書・決算書
長期修繕計画
この5つがどこにあるか確認してみてください。
そして理事会で分からないことが出てきたら、
「この話は、どの資料を確認すれば分かるのか?」
と考える。
これだけでも、管理会社から説明されたことをそのまま聞くだけの理事会から、一歩進めます。
役員になったら、最初から全部覚える必要はありません。
まず「答えが書いてある場所」を知る。
私は、それが管理組合の役員として一番楽なスタートだと思います。
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