失敗したとき、自分にどのような言葉をかけていますか?
「どうしてこんなこともできないの?」
「また失敗した。私は本当にダメだ」
「もっと頑張らないと、人から認めてもらえない」
自己肯定感が低いと感じている人の中には、このような言葉を毎日のように自分へ向けている方がいます。
ところが、長い間それを続けていると、自分に厳しくしていること自体に気づかなくなることがあります。
本人にとっては、それが当たり前の考え方になっているからです。
他人には言わない言葉を、自分には言ってしまう
大切な友人が仕事で失敗して落ち込んでいたら、あなたはどのような言葉をかけるでしょうか。
「一度失敗したくらいで、あなたには価値がない」
「もっと頑張れたはずなのに、甘えている」
おそらく、このような言葉はかけないと思います。
「大変だったね」
「誰にでも失敗することはあるよ」
「次にどうしたらいいか、一緒に考えよう」
そう声をかける方が多いのではないでしょうか。
それなのに、自分が失敗したときには、友人には決して言わないような厳しい言葉を向けてしまうことがあります。
自分に厳しい人は、「自分に甘くなってはいけない」「厳しくしなければ成長できない」と考えていることもあります。
しかし、自分を責め続けることと、失敗を振り返って成長することは同じではありません。
自分を責めても、行動しやすくなるとは限りません
自分に厳しい言葉をかけることで、一時的に頑張れることはあります。
けれど、それが長く続くと、失敗することへの恐怖が強くなり、挑戦を避けるようになったり、何かを始める前から「どうせ自分にはできない」と感じたりすることがあります。
反省するためには、
「自分はダメだ」と人格全体を否定するのではなく、
「今回は準備する時間が足りなかった」
「分からないことを、早めに確認できなかった」
というように、起きたことを具体的に振り返る必要があります。
人格ではなく行動を見ることで、次に変えられる部分が見つかります。
自分に厳しくなった背景があるかもしれません
自分を責める癖は、単なる性格とは限りません。
過去に失敗を強く叱られた経験や、人と比較され続けた経験、頑張ったときだけ認めてもらえた経験などが影響している場合があります。
「きちんとしていなければ認めてもらえない」
「人に迷惑をかけてはいけない」
「弱音を吐いたら嫌われる」
そう考えることで、これまで自分を守ってきたのかもしれません。
自分への厳しさには、自分なりの理由があることもあります。
そのため、厳しくしてしまう自分を、さらに「直さなければ」と責める必要はありません。
まずは、自分がどのような場面で自分を責めているのかに気づくことから始めてみましょう。
無理に自分を好きにならなくてもいい
自己肯定感を高めるために、「自分を好きになろう」「自分を褒めよう」と言われることがあります。
もちろん、それが合う人もいます。
しかし、自分のことを強く否定しているときに、急に「私は素晴らしい」と思おうとしても、かえって苦しくなることがあります。
最初から自分を好きになる必要はありません。
まずは、
「今日は疲れているから、うまくできなかったのかもしれない」
「失敗はしたけれど、それだけで自分の価値がなくなるわけではない」
「今の自分にできる範囲では頑張っていた」
と、少しだけ事実に近い言葉へ言い換えてみてください。
自分を大げさに褒めるのではなく、自分への攻撃を少し弱めるイメージです。
自分にも、他人と同じくらいの優しさを
自己肯定感は、いつでも自信に満ちていることではありません。
うまくいかないときや自信を失ったときにも、自分の存在まで否定せずにいられることが大切です。
もし自分を責める言葉が浮かんだら、
「同じことで悩んでいる友人にも、この言葉をかけるだろうか」
と一度考えてみてください。
自分にだけ特別厳しい基準を向けていたことに、気づけるかもしれません。
私のチャット相談では、自己否定が強くなった背景や、どのような場面で自分を責めてしまうのかを一緒に整理します。
無理に前向きになることや、自分を好きになることを押しつけることはありません。
今の自分を好きになれなくても、自分をこれ以上傷つけない方法は一緒に考えられます。
自分に対して、他人に向ける優しさのほんの一部でも向けられるように。まずは現在の気持ちを言葉にするところから始めてみませんか。